『SAKAMOTO DAYS』は島﨑信長が“真骨頂”を出せる作品だ 優しさと鋭さの二面性に注目

 そして今作で挑む朝倉シンは、エスパーという特異な能力を持つ青年であり、原作漫画の連載2周年記念人気投票で見事1位に輝いた、読者の心を強く惹きつける人物だ(※)。シンは元上司・坂本を始末するため接近するものの、その圧倒的な強さと、家族を想う姿に心を動かされ、任務を放棄する決断を下す。この選択により自身も組織からの粛清対象となってしまうが、皮肉にもその危機から救ってくれたのは、標的だったはずの坂本本人だった。以来、彼の経営する商店で新たな人生を歩み始めることに。元暗殺者らしい坂本の過激な妄想を読み取っては「なんですぐ妄想で殺すんですか!?」と咄嗟にツッコミを入れる場面は、作品特有の絶妙な間合いを生んでいく。

 また、坂本や陸少糖との掛け合いではキレのあるツッコミを披露しつつ、店に訪れる客には意外にも丁寧な接客を見せるなど、日常の表情まで声で丹念に描き分けていくところも印象的だ。公式ポッドキャスト『イコライザカ放送局』第1回では、乃村健次演じる威厳に満ちたボスや、小市眞琴が演じる少年についても言及があり、坂本以外のキャラクターたちとシンの多彩な掛け合いも、今後の見どころとなるに違いない。

 さらに『SAKAMOTO DAYS』ならではの掛け合いの妙といえば、坂本役の杉田智和、陸少糖役の佐倉綾音とのやり取りから漂う『銀魂』を彷彿させる空気感も、視聴者の間で話題を呼んでいる。杉田の起用から連想される絶妙な親和性は作品の垣根を越えて広がり、ジャンプフェスタ2025の『銀魂』ステージでは、原作者・空知英秋による『SAKAMOTO DAYS』のパロディイラスト“SAKATA DAYS”が公開される一幕も。本作は『銀魂』ほどの奔放さこそないものの、個性豊かなキャラクターたちが織りなす温かな掛け合いは、どこか懐かしい平成アニメの薫りを漂わせる。

 2025年冬アニメ、その幕開けとともに早くも話題をさらう『SAKAMOTO DAYS』。閑静な街の片隅にある商店を舞台に繰り広げられる殺し屋たちの物語と、その中心で時に優しく、時に鋭く魅せる島﨑信長の朝倉シン。この異色の組み合わせが紡ぐ世界は、きっとまだまだ私たちを驚かせてくれるに違いない。

参照
※ https://www.shonenjump.com/j/vote_sakamoto/

■放送情報
『SAKAMOTO DAYS』
テレ東系ほかにて、毎週土曜23:00〜放送
Netflixほか各プラットフォームにて配信
キャスト:杉田智和(坂本太郎)、島﨑信長(朝倉シン)、佐倉綾音(陸少糖)、東山奈央(坂本葵)、木野日菜(坂本花)、鈴木崚汰(眞霜平助)、花江夏樹(南雲)、八代拓(神々廻)、早見沙織(大佛)
原作:鈴木祐斗(集英社『週刊少年ジャンプ』連載)
監督:渡辺正樹
シリーズ構成:岸本卓
キャラクターデザイン:森山洋
制作:トムス・エンタテインメント
オープニング・テーマ:Vaundy「走れ SAKAMOTO」(SDR/Sony Music Labels Inc.)
©鈴木祐斗/集英社・SAKAMOTO DAYS 製作委員会
公式サイト:https://sakamotodays.jp
公式X(旧Twitter):@SAKAMOTODAYS_PR
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@sakamotodays_pr

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