志尊淳、“父親役”で俳優として次なるフェーズへ 『日本一の最低男』で挑む多層的な人物像
そんな俳優・志尊淳が私たちに広く知られるようになってから、早くも10年もの時が経った。この間に彼が演じてきたキャラクターは多岐にわたる。ドラマ『女子的生活』(2018年/NHK総合)でトランスジェンダーの主人公を演じ、その繊細な表現力で支持層を広げると、これに続くかたちで朝ドラ『半分、青い。』(2018年度前期/NHK総合)で主人公の青春時代を彩る友人のひとりを好演。さらに一気にその名を知らしめた。その後は『らんまん』(2023年度前期/NHK総合)にて再び朝ドラに登場したことも記憶に新しい。今度は主人公の終生の相棒を演じ、いまでは国民的な存在になったのではないだろうか。
『HiGH&LOW THE WORST』(2019年)でケンカに明け暮れ、野田秀樹が率いるNODA・MAPの「『Q』:A Night At The Kabuki」(2019年)で松たか子、上川隆也、広瀬すずらとともに主演を務め上げ、映画にドラマに舞台にと、着実にキャリアを重ねてきた。私の個人的な話になるのだが、俳優としての志尊の変化を明確に感じ取ったのは、2022年に『Q』が再演された際である。同じ座組で演じたのは、もちろん3年前と同じキャラクター。しかし、舞台上の彼の存在は、まるで違うものになっていた。数年のうちに積み上げた経験や自信というものが劇場空間に表出したのだろうし、志尊が扱う声と身体は、その質感がまったく変わっていたのだ。なんて幸福な機会に立ち会うことができたのだろうかと、とても興奮したものだ。
連ドラ完走直後は舞台に? 広瀬すず、志尊淳、山田裕貴、奈緒ら若手俳優たちの健闘
『なつぞら』(NHK総合)で、“朝ドラヒロイン”という大役をまっとうした広瀬すずが、現在は舞台『Q:A Night At The…さて、ここで『日本一の最低男』に話を戻そう。これから30代に突入していこうとしているいま、志尊は本作で新境地を切り開くことになるのではないだろうか。先述しているように、彼が演じるのはいろいろと複雑な状況に置かれている父親だ。映画や舞台だとどうしても作品にアクセスするのが難しい人々が出てくるが、地上波のテレビドラマならば間口は広い。より多くの人々に見守られる中でこれを演じ切るとき、成長し続けてきた俳優・志尊淳は次なるフェーズへと進むことになるのだと思う。
『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』をTVerで観る
■放送情報
『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00~22:54放送
出演:香取慎吾、志尊淳、冨永愛、増田梨沙、千葉惣二朗、向里祐香、佐野玲於、橋本じゅん、安田顕ほか
第1話ゲスト:草彅剛(友情出演)
脚本:政池洋佑、蛭田直美、おかざきさとこ、三浦駿斗
演出:及川拓郎ほか
プロデュース:北野拓ほか
主題歌:香取慎吾「Circus Funk(feat. Chevon)」(トイズファクトリー)
制作協力:テレパック
制作・著作:フジテレビ
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