『9ボーダー』の“好き度”が増すオーディオコメンタリーは必聴! BD&DVD豪華特典を解説

 誕生日を迎えることを、素直に喜べなくなったのはいつからだろう。子どものころは、年齢を重ねることが嬉しかったはずなのに。今は、「はぁ、もう若くないよなぁ」なんて、落ち込んでしまう自分がいる。とくに、19歳、29歳、39歳……と各年代のラストイヤー“9ボーダー”のときは、もっとしんどかった。その年代で経験しておくべきことを、「すべてやっておかなければ!」と焦って、もがいて。無理に、その年齢を満喫しようとしていた。その年代でしか経験できないことなんて、ほとんど存在しないのに。

 そんなわたしにとって、『9ボーダー』(TBS系)はたくさんの気づきを与えてくれるドラマだった。「もう〇〇歳だから」と思うのではなく、「まだ〇〇歳」と考えた方が、人生は楽しくなること。「あの頃はよかったな」と過去を振り返るのではなく、「今が全盛期!」と言えるような未来を作り上げていくこと。最初のころは、“若さ”にものすごい価値を感じていたけれど、物語が進んでいくうちに、「年齢を重ねるのって、楽しいことなのかも?」と思えるようになってきた。

 10月11日に発売される『9ボーダー』のBlu-ray&DVD-BOXには、全10話の本編映像が収録されているので、ぜひチェックしてみてほしい。『着飾る恋には理由があって』(TBS系)でも川口春奈とチームを組んだ、脚本家・金子ありさと新井順子プロデューサーが、全身全霊をかけて紡いだ物語。このコラムを書くために改めて1話から視聴したのだが、観るタイミングによって刺さるポイントが変わってくるのが面白い。

 39歳の六月(木南晴夏)、29歳の七苗(川口春奈)、19歳の八海(畑芽育)。みんな、悩みを抱えながら生きているのだが、あつ子(YOU)が、「19歳か、絶対に戻りたくない年齢」「昔は良かったって、補正フィルターが入ってキラキラしたように見えるけど、本当はどんよりだった気がするなぁ」なんて、幸せそうに言っているのが素敵だ。年齢を重ねることに対してマイナスな気分になってしまいそうなときは、またこのドラマを観返したい。

 そして、Blu-ray&DVD-BOXには、「見どころSP」や、「SPOT集」「スペシャルトーク完全版」「川口春奈・木南晴夏・畑芽育3ショットトーク」「松下洸平・井之脇海・木戸大聖3ショットトーク」「インタビュー集」「オールアップ集」に加え、未公開映像満載の「NG集」などと特典映像もたっぷり収録。さらに音声特典として「最終話オーディオコメンタリー」も収録されている。

 とくに注目すべき特典が、3姉妹を演じた川口春奈、木南晴夏、畑芽育による最終話のオーディオコメンタリー。本物の姉妹のように仲が良い3人が、「懐かしい!」「おおば湯、また行きたいよね!」と言いながら、ワイワイとトークを繰り広げていくため、まるで“一緒にドラマを観ている”ような感覚に。おおば湯のセットの“ある場所”にキャスト陣が集まって喋っていたという裏話などもたっぷり話してくれるので、聴いたら『9ボーダー』をもっと好きになること間違いなしだ。

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