『マル秘の密子さん』松雪泰子が隠した新たな真実 密子と鞠子を救った“レモンの君”の正体
それが分かった瞬間、まだ密子の中で少しだけ残っていた遥人への疑いの気持ちが晴れる。これまで密子は遥人を悪人だと決めつけ、憎しみの目で見ていたから気づけなかっただけで、彼が本当は困っている人を放っておけないヒーローの心を持った人間である証拠は至る所に散りばめられていた。
同じように夏を憎しみの目で見るのではなく、信じていた時と同じ目で火災現場の映像を見直してみた時、新たな真実が見える。火事の時、確かに鞠子は夏に向かって「助けて」と叫んだが、それは自分のことではなく、謙一のことだった。夏は謙一を救い出した後、鞠子を助けに戻ろうとしたが、直後に爆発が起こってしまったのだ。また、夏の元に「火事に近づいた者は殺す」という文書と共に、密子の写真が同封された封筒が差出人不明で届いていたことも明らかになる。密子を守るために、自分が悪者になってまでも彼女を突き放した夏。そんな彼女の姿と、superflyが歌うテーマソング「Charade」の〈oh blue お人好しが上手〉という歌詞がリンクする。
鞠子にしても夏にしても、密子の周りにいる人間はお人好しばかり。彼女が最も憎んでいるのは、そんな彼女たちが傷つかなければならない世の中なのだろう。では、果たして鞠子の命を奪い、今もなお夏の優しさに漬け込んで苦しめている犯人は誰なのだろうか。
そのヒントとなるのが、智が夏に渡したリスト。ファイルには「こちらのリストを確認いただき9月17日の打ち合わせまでにご意見を伺いたく思います」というメモが付箋で貼ってある。その中にある数字の「7」の書き方が、鞠子の残した裏帳簿メモに書かれた「7」と共通しているのだ。もし裏帳簿の存在を知られた誰かが鞠子を口封じに殺したのだとすれば、付箋を貼った人間が犯人である可能性が高い。普通に考えれば、疑わしいのはリストを渡した本人である智だろう。密子から優しいと言われた智の「俺は別に優しくなんかないよ」という言葉や沈んだ表情も意味深で気になるところ。夏が社長室に入る直前で呼び止め、中にいる密子たちをそれとなく助けたようにも見えたが、単なる偶然の可能性もある。何より、前回の「大事なのは、あの火災事故で、一番得をしたのは誰なのか?ということです」という坂東(黒羽麻璃央)の言葉。火災事故で得をしたのは夏だけじゃない。夏が謙一を助けたことで、智も九条開発に就職が決まり、さらには社長の息子という地位まで手に入れているのだ。
おそらく夏は信じたくない気持ちもありつつ、智に付箋のメモを書いた人物について尋ねに行こうとしたのだろう。その矢先、美樹(渡辺真起子)からの襲撃に遭う。次週はついに最終回。どんな真実が明らかになろうと、密子と夏が難局を抜けてまた一緒にご褒美のかき氷を食べられることを願っている。
■放送情報
『マル秘の密子さん』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00〜放送
出演:福原遥、松雪泰子、上杉柊平、清水尋也、志田彩良、吉柳咲良
脚本:丑尾健太郞、藤岡明子、上野詩織、ばばたくみ
演出:中茎強、小室直子、伊藤彰記、苗代祐史
チーフプロデューサー:田中宏史
プロデューサー:鈴木亜希乃、柳内久仁子
音楽:Ken Arai
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
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