『ONE PIECE』物語の“鍵”は世界情勢?  黒ひげの躍進からイムの秘密までの怒涛の展開

ホールケーキアイランド編とワノ国編のあいだ

 もう1つの大きな転機としては、ホールケーキアイランド編とワノ国編の幕間として描かれた世界会議(レヴェリー)編が挙げられる。そこではあのイムが初登場を果たしているからだ。

 アニメでは第885話のこと。ルフィの手配書を手にもったイムが聖地マリージョアのパンゲア城を徘徊し、巨大な麦わら帽子の前で立ち止まる……という意味深なシーンが飛び出していた。

 また第889話では、イムのいる「花の部屋」が映し出されたのだが、その床にはバラバラに引き裂かれたルフィと黒ひげの手配書と、顔の部分に剣を突き立てられたしらほしの写真が落ちていた。その一方でイムは傷ひとつないビビの写真を手にしており、思わせぶりに写真を眺めた後、誰も座ってはならないはずの「虚の玉座」に腰掛けるのだった。

 イムが世界を裏で操る“真の黒幕”であることを示す描写であり、ルフィやビビとの関係についても想像力をかきたてられる。

 なお、現在アニメで描かれている「怒涛の展開」では、まさにイムやビビにまつわる秘密に触れられている最中だ。アラバスタ王国のコブラ王はパンゲア城で五老星と面会を行い、王家の先祖にあたるネフェルタリ・リリィについて質問。リリィは800年前に世界政府を作り上げた20人の王たちの1人だったが、その後天竜人にならず、アラバスタ王国にも帰っていないため、行方知れずになっているという。

 さらにコブラ王は800年前のリリィの手紙が受け継がれていると言い、「D」の正体について五老星に問いかける。そこで突如イムが現れ、「虚の玉座」に腰掛けながらリリィの名を呼ぶのだった。

 リリィといえばビビの先祖にあたる人物であり、Dといえばルフィを含む「Dの一族」が連想される。いずれもイムや世界政府と浅からぬ因縁を秘めていそうだ。

 ルフィたちの冒険が進むと共に、次々と謎が解き明かされている『ONE PIECE』の世界。今後、世界情勢パートでどんな事実が明らかになっていくのか、楽しみでならない。

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