川床明日香、『虎に翼』優未役で叶えた念願の朝ドラ出演 伊藤沙莉から学んだ役者の姿勢

 NHK連続テレビ小説『虎に翼』に主人公・寅子(伊藤沙莉)の娘・優未役で出演した川床明日香。以前から朝ドラ出演を目標としていた川床は、予想外の形で夢が叶った喜びを語る。役者としての成長を実感しつつも、さらなる高みを目指す意欲も。新たな挑戦への意気込みを示した川床の、俳優としての覚悟と展望を聞いた。

“優未から見たお母さんを見ること”を大切に

――『虎に翼』出演について、どのタイミングでお話が来たのでしょうか。

川床明日香(以下、川床):撮影に入る少し前に、マネージャーさんから突然「優未役に決まりました」と連絡があったんです。4月から毎日、いち視聴者としてドラマを楽しんでいたので、「え!?」と驚きました。これまでプロデューサー陣とお仕事をご一緒したことはなかったのですが、ワークショップだったり、他作品のオーディションを受けたときのことを覚えてくださっていたみたいで、今回声をかけていただきました。

――物語的には、戦争が終わったくらいの時期ですかね?

川床:新潟編が終わる直前だったと思います。数週間ほどの短い撮影期間だったんですが、すごく充実していて、何カ月もいたような気持ちになりました。

――先日、猪爪直人役の青山凌大さんにインタビューをさせていただいた際には、「みなさんの役に入る瞬間の切り替えがすごい」とおっしゃっていました。川床さんも同じように感じられましたか?

川床:たしかにそれは感じましたね。すごく集中力のいるシーンでも1回1回切り替えて、カットがかかったら戻る、ということはありました。猪爪家の撮影もそうですが、セットにいなくていい時間にも、みんなで机を囲んでお話ししていたのがすごく印象的で。役を演じていた時間ではないけれど、そういう時間も自分の中に優未の記憶として残っています。

――優未役を演じた歴代の子役たちも話題になりましたが、役を作り上げていく上で、彼女たちのイメージを取り入れようと意識したところもありますか?

川床:役作りをする上では、“優未を見ること”よりも“優未から見たお母さんを見ること”のほうが大切な気がして、そこをもう一回見返すことはありました。トラちゃんの娘を演じるという意味でも、お母さんがどういう表情をしていて、どういう癖があるのかな、というのはよく見ていましたね。

――他の作品も含め、伊藤沙莉さんにはどんな印象がありましたか?

川床:すごくお芝居が上手で存在感のある役者さんだなと思っていたので、いつかご一緒できればいいなと思っていました。

――とはいえ、娘役というのは、予想の斜め上を行く感じですよね。

川床:たしかにそうですね。「娘か!」と思いました(笑)。

――実年齢的には母娘の年齢差ではないですが、現場では伊藤さんが母親役を演じることへの違和感はなかったですか?

川床:それはなかったですね。自分も放送を観ていて、優未としての思い出がたくさんあったので、「お母さんだと思おう」と意識するようなことはなかったです。

――最終回に向けて、川床さん演じる優未の見せ場についても聞かせてください。

川床:家族のシーンが多かったので、やっぱりお母さんとの関係を見ていただきたいです。お母さんに対する優未の思いは、新潟編から観ている方にとっては感動するというか、「ああ、優未ちゃん成長したな」と思ってもらえるのかなと思います。

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