『厨房のありす』はメイキングを観るとさらに面白い! 門脇麦が語る永瀬廉の芝居の“変化”

 そんな明るくて個性豊かな三ツ沢家の人々に支えられながら、ありすは成長してきた。本作には数多くの名台詞が登場するが、特に「人間なんて元々、一人じゃ生きていけないんだから」という和紗の言葉が心に残っている。障害があってもなくても、人は一人で生きていくことはできない。だからこそ、他人と自分との間に線を引くのではなく、お互いを知って歩み寄ることが大切だと本作は教えてくれる。

 そのやさしい世界の中心にいるのが、ありすと倖生だ。住み込みバイトとしてありすや心護と寝食を共にする倖生。当初はありすの特性に戸惑いつつも、次第に彼女の才能やひたむきさに惹かれ、支えるようになっていく。印象的だったのは、倖生を演じる永瀬の眼差しだ。無愛想で人に勘違いされやすく、感情表現も豊かなほうではないが、倖生のありすに向ける眼差しはあたたかい。門脇もメイキングで「第3話から10話までで(倖生の)ありすを見る目が明らかに変わった。本当にあったかな眼差しをしているから、お互いへの愛情が芽生えているのが目に見えてわかったので安心してました」と語っている。

 そして実のところ2人は似た者同士で、ありすは「自分は助けてもらわないと何もできない」と思っているし、倖生は「自分が生まれてきて幸せになった人はいない」と感じている。本作はそんな彼らが心を通わせ、「生まれてきてありがとう」の気持ちを伝え合うことで自分を肯定できるようになるまでの物語でもあった。そのもどかしくもピュアで愛おしい恋愛模様に誰もが夢中になった。

 一方、2人の関係を阻むのが、ありすの出生にまつわる秘密。鍵を握るのは、大手製薬会社「五條製薬」のCEO・五條道隆(北大路欣也)とその娘・蒔子(木村多江)、蒔子の夫・誠士(萩原聖人)だ。そこに大森も加わった日本を代表する骨太な俳優陣が本作のミステリー要素を担った。実は、多くのキャストがミステリーの真相を知らないまま撮影がスタートしたそう。そんなキャストたちが初めて真相を聞かされた時の反応も見どころの一つとなっているメイキング映像は、約2時間の大ボリューム。さらにはハプニング集や、TVerオリジナルコンテンツとして配信された簡単レシピ動画も収録された豪華な映像特典となっている。

 これからは、いつでもありすや倖生たちに会える。もしも心が疲れてしまったら、ぜひ2人を取り巻く”やさしい世界”に触れてみてほしい。

■リリース情報
『厨房のありす』
9月4日(水)Blu-ray&DVD-BOX発売

Blu-ray BOX:29,040円(税込)
DVD-BOX:22,990円(税込)

【映像特典】※Blu-ray BOX、DVD-BOX共通
・スペシャルメイキング
・ハプニング集
・みんなで作ろう!厨房のありす 化学で簡単レシピ

【封入特典】※Blu-ray BOX、DVD-BOX共通
・オールカラーブックレット

出演:門脇麦、永瀬廉、前田敦子、大東駿介、阿南敦子、大友花恋、前原瑞樹、橘優輝、堀野内智、伊藤麻実子、金澤美穂、新井郁、北大路欣也、国仲涼子、竹財輝之助、皆川猿時、萩原聖人、木村多江、大森南朋
チーフプロデューサー:三上絵里子
プロデューサー:鈴間広枝 諸田景子 松山雅則
演出:佐久間紀佳 鈴木勇馬 瀬野尾一 猪股隆一
脚本:玉田真也 野田慈伸
音楽:横山克
主題歌:miwa「それでもただ」(Sony Music Labels Inc.)
制作協力:トータルメディアコミュニケーション
製作著作:日本テレビ
©NTV

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