『涙の女王』『ムービング』『今日もあなたに太陽を』 心揺さぶる“泣ける韓国ドラマ”6選

 自分史上、今までで一番泣いたドラマは何だろうか。ティッシュ一箱を使い切るくらい泣いてしまったり、大声でわんわん泣いてしまったり、と韓国ドラマを観ると自分でも驚くほど泣いてしまった経験を思い出す。それは、ミルクレープのように繊細な感情変化の積み重ねが形をあらわした瞬間だったり、伏線が全て繋がった瞬間だったりと涙の理由はさまざまだが、心が作品によって大きく揺れ動いたのは間違いない。本記事では、さまざまなジャンルの中でも、人間模様を丁寧に描きながら感情の変化を映し出していくような“泣ける韓国ドラマ”をいくつか紹介していきたい。

『マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜』

『マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜』(写真はtvN公式サイトより)

 『マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜』は、誰にも頼ることができずに1人で大人になるしかなかった主人公が、人生の指針となるおじさんと出会い、互いに生きる喜びを取り戻していく過程を描く物語。『私の解放日誌』の脚本家パク・へヨンと、『ミセン-未生-』のキム・ウォンソク監督がタッグを組む本作。暗く重たい世界の中で全てを諦めそうになった瞬間、「大丈夫」「どうってこない」と語りかけてくれるようなセリフが疲れた心にしみ込んでいく。そして、虚ろな目をしたキャラクターたちに希望の光が宿る瞬間、涙が止まらなくなる。人との関わりに傷つき、心が億劫になった時こそ観たくなる。

『今日もあなたに太陽を 〜精神科ナースのダイアリー〜』

Netflixシリーズ『今日もあなたに太陽を 〜精神科ナースのダイアリー〜』独占配信中

 『今日もあなたに太陽を 〜精神科ナースのダイアリー〜』は、腹痛や頭痛と同じように心の痛みを描き、太陽が昇る前の一番暗い夜の瞬間から、光が当たるまでの過程を映し出す物語。精神科で働く主人公を中心として、物語は展開していく。劇中では、誰もが正常と非正常の境界線で生きているからこそ、病気は特別なことではなく気づいてケアをする重要性を教えてくれる。

 特に本作のセリフは温かく、「明けない夜はない」「朝を迎える準備ができたタイミングで朝が来る」といったメッセージと共に、キャラクターたちが変化していく瞬間瞬間に涙が溢れ出る。目には見えづらい心の痛みや息苦しさを、あえて目で見て伝わるように描いているため、心が元気な時にじっくり視聴したい作品かもしれない。

『涙の女王』

『涙の女王』(写真はtvN公式サイトより)

 『涙の女王』は、結婚したときにはあったはずの愛情から“愛”が抜け落ち、情だけが残ったところから、人生の締めくくり方を描いていく物語。“スーパーマーケット界の王子”ヒョヌと“デパート界の女王”ヘインの世紀の結婚から約3年経ち、離婚の危機に立たされた夫婦の関係性の変化を映し出していく。一見ラブコメにも見えるが、キム・スヒョン演じるヒョヌが劇中で涙する回数は40回と言われているくらい、涙のシーンが多い。劇中では、お金も名誉も家も全て失った後に見えてくる本当の家族愛と夫婦愛に涙腺崩壊してしまうと思う。

 また、主演の2人だけでなく、親の感情や弟家族など、さまざまなキャラクターの視点で物語が並走して行くため、感情はジェットコースター状態で気づけば泣き続けてしまう。

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