『GO HOME』小芝風花×大島優子は相性抜群のバディ 猪突猛進な桜が見せた意外なギャップ

 死という重いテーマを扱いながら、エンタメとして明るく、観やすくしているのが本作の魅力でもあるが、それでも死者に寄り添った演出が光っている。桜と真の地道な聞き込みによって富田の生前の真実が明らかになっていくが、モノクロで描かれる過去はまるで隣にいるかのようにしてシームレスに映し出されていく。最も印象的だったのは、転落現場から富田のスマホを見つけ出し、その場から後を去ろうとした時に、富田の姿が現れる場面。少しだけお辞儀をした富田に、桜はその気配に振り向き、力強い眼差しで頷く。富田と桜の間に言葉はなく、もちろん会話はできないが、2人の思いが見えてくる。リアリティとエンタメの狭間の中でできる、表現方法としての正解のような気がした。

 脚本を務めるのは、『半沢直樹』(TBS系)や朝ドラ『おちょやん』(NHK総合)で知られる八津弘幸。2026年には仲野太賀が主演の大河ドラマ『豊臣兄弟!』(NHK総合)が控えている状態だ。「苦しいのは残された人の方」という真のセリフや「疫病神」と忌み嫌われる身元不明人相談室でまた前に進んでいくために桜と真が繰り広げる事件終わりの“茶番”は、どこかリアリティを持っている。身元不明人の似顔絵に書かれた「私を知りませんか?」という文章を見て、亡くなった人を大切な人の元へと帰すということは、その人のことを深く知ることであると、第1話を観て捉え方が変わっていることに気付かされた。

■放送情報
『GO HOME~警視庁身元不明人相談室~』
日本テレビ系にて、毎週土曜21:00〜放送
出演:小芝風花、大島優子、阿部亮平、柳美稀、戸次重幸、半海一晃、高島礼子、吉田鋼太郎
脚本:八津弘幸、佐藤友治
音楽:横山克
チーフプロデューサー:松本京子
プロデューサー:荻野哲弘、鈴木将大、本多繁勝(AX-ON)
演出:菅原伸太郎、大谷太郎ほか
制作協力:AX-ON、アバンズゲート
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/gohome
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