『虎に翼』本田響矢の“涼しげな存在感” 泥沼相続問題を照らす“希望の光”となるか?
「人としての正しさと司法としての正しさの乖離」に悩み続けていた花岡(岩田剛典)にとって、かつて梅子(平岩紙)が掛けた言葉が心の支えになり続けていたように、登場シーンはなくとも、幾度となくそれぞれの心の中に残る梅子の影響が描かれてきた『虎に翼』(NHK総合)。
第12週の最後から梅子が再登場。彼女の夫で弁護士の徹男(飯田基祐)が死去する。常々人を見下し、モラハラ気質のある夫のように息子たちには成長してほしくはないと、幼い三男・光三郎を連れて家を出ていた梅子。しかし、徹男の死が再度梅子たちを大庭家に呼び戻したようだ。そこで待ち受けるのは、泥沼の“遺産相続問題”だ。
成長した光三郎役を演じる本田響矢は、本作が朝ドラ初出演となる。光三郎は法律の勉強をしている大学生のようで、父親や志半ばで法曹界への道を諦めざるを得なかった梅子の意志を継いでいるのかもしれない。祖母・常(鷲尾真知子)の介助を行う心優しい光三郎のお人好しすぎるところを梅子は心配しているらしい。
本田といえば、ABEMAオリジナルドラマ『ANIMALS‐アニマルズ‐』では、最終的に主人公の彼氏となる年下カメラマン役を好演。飄々としており、はっきりと自分の意見を臆せず伝えられる生意気さとフラットさのバランス感が抜群だった。涼しげな存在感ながらも、こだわりも強く自分をしっかり持っているからこそ、どこかとっつきにくそうな“群れない”キャラクターを演じてみせた。