『Re:リベンジ』における“真のヒーロー”は一体誰なのか? 美咲の身に起こってしまった悲劇

 ヒーローにもさまざまなタイプがいる。正義感に溢れ、人々を守るために戦うヒーローもいれば、ひょっとしたら悪役に見える人物こそが、本当のヒーローなこともあるかもしれない。木曜劇場『Re:リベンジ-欲望の果てに-』(フジテレビ系)第7話は、まさにそんな「悪役」と「ヒーロー」の境界線が曖昧になる展開を見せた。善人を装う人物の内面にこそ、実は醜い欲望や悪意が潜んでいる可能性もあるのだ。

 天堂記念病院では、朝比奈陽月(芳根京子)の妹・美咲(白山乃愛)の手術が行われていた。血管から出血し危険な状態に陥る美咲に、手術室は緊張感に包まれる。外科医である大友郁弥(錦戸亮)は、理事長の天堂海斗(赤楚衛二)に手術の中止を訴えるが、執刀医・岡田千尋(内田慈)の機転により難を逃れ、手術は成功する。そして、美咲の手術の成功と心臓血管外科プロジェクトの始動は、海斗の“馴染みの記者”こと、出版社時代の後輩・木下紗耶(見上愛)により大きなニュースとなった。

 この手術の成功は、天堂記念病院にも大きな影響を与えることに。会長である天堂皇一郎(笹野高史)も、「今回の手術が成功したことで、プロジェクトにも箔が付く」と上機嫌で海斗をねぎらう。この機を逃すことなく、海斗は記者会見を開くことを決める。美咲の命を救うことができたことにより、陽月と海斗の心の距離も以前のように戻り始めて一件落着……かと思いきや、そうはいかないのが“リリベ”だ。手術は成功したにもかかわらず、物語の雲行きはだんだんと怪しくなっていく。

 郁弥は、美咲の身体が危険な状態にある中で、オペを中止しなかったことを岡田に問い詰めるも、彼女は「私は執刀医としてあの日最適な判断を下した」と厳しい口調で言い返す。岡田の言葉からは、医師としての強い責任感や覚悟が感じられない。だんだんと嫌な予感を感じ始めた視聴者も多かっただろう。

 海斗の人選ミスがだんだんと浮き彫りになっていく一方で、“部外者”となった郁弥は悪者には見えない。むしろ、患者の命を第一に考える真摯な姿勢が浮き彫りになっていた。郁弥の言動からは、患者の安全を最優先に考える医師としての信念が感じられるはずなのに、命の危機に瀕している患者を前に、海斗とのすれ違いがとにかくもどかしい。美咲の様子を独断で見ようとした郁弥を海斗はけん制し、医師の労働環境を建前に休暇を言い渡す。

 また郁弥は「リスクがあったことに変わりはない」とプロジェクトには自分が必要だと訴えるが、海斗は郁弥が自分に嫉妬しているだけだと言って取り合わない。「本音で話していないのはどちらでしょう」と問われた海斗は、ますます郁弥との溝を深めてしまう。最初の登場時は悪役にも見えた郁弥だが、ここ数回の裏での活躍っぷりはもはや本作のヒーローだ。理事として危うい道を歩み始めた海斗を見ていると、「助けて! 大友先生」とすがりたくなるような瞬間すらある。

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