斎藤工が俳優として感じ続けてきた“違和感” 新しい世代のクリエイターに見た希望とは

斎藤工、俳優として感じ続けてきた“違和感”

山中瑶子、奥山大史ら若手監督に感じた希望

――最後に、斎藤さんがこれからも役者を続けていく上で“信じたいもの”を教えてください。

斎藤:僕が日本の俳優をやっている上で、民放ドラマ、映画、配信作品も含めて、明らかに“今までが通用しない時代”に突入しているのに、旧型の“古き良き”ということを掲げて、アップデートせずに「今まで通りにいきましょう」という力が映像業界には強くあるなと感じています。個人としては、みんなが「更新していく」「新たなシステムにしていく」という時代になっているけど、おそらく組織のジャッジというのはまた別で。映画を作っている立場から見た景色としては、その“組織の判断”がネックだなと思っています。個々としては、クリエイターもそうだし、役者さんもそうだし、自分のIPにいかに価値をつけていくか。もうずいぶん前から、海外との合作など新たな可能性を見出していかなければいけない時代に来ているのに、僕を含めて未だに腰が重い人たちが多いな、という思いです。ただ、それだけを見ちゃうと“信じられる希望”に結実しないですし、悲しいかな日本はインバウンドを含めた外圧によって初めて変わっていける国だと思うので、そこから何かヒントを得て、「なんで日本人なのか」「日本で生み出せるものはなにか」というところへ原点回帰するのではないかと信じています。

――斎藤さんはプロデュース業や監督業もされているので、やはりクリエイター目線になってくるんですね。

斎藤:そうですね。今年のカンヌ国際映画祭の「監督週間」に山中瑶子さん、「ある視点」部門に奥山大史さんというすごく若い日本の監督が選出されたんですよ。今日、奥山さんの『ぼくのお日さま』を観に行ったら、本当に今までの日本にはなかったような作家性を持っていて、僕の心配をよそにきっとそういった人たちが光を掴んでいってくれるんだなと。新しい世代の人たちは、純然たる存在というよりはハイブリッドな方たちが多い気がしていて、僕は今、そんな彼らに何かを託したいな、という気持ちでいっぱいです。

■放送情報
『Believe-君にかける橋-』
テレビ朝日系にて、毎週木曜21:00~21:54放送
出演:木村拓哉、竹内涼真、山本舞香、一ノ瀬颯、北大路欣也、上川隆也、斎藤工、小日向文世、天海祐希
脚本:井上由美子
音楽:林ゆうき
エグゼクティブプロデューサー:三輪祐見子(テレビ朝日)
プロデューサー:都築歩(テレビ朝日)、髙木萌実(テレビ朝日)、松野千鶴子(アズバーズ)
監督:常廣丈太(テレビ朝日)
樹下 直美(アズバーズ)
制作協力:アズバーズ
制作著作:テレビ朝日
©︎テレビ朝日
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/believe/

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