『アンメット』井浦新が見せるダークな横顔 杉咲花の治療をめぐって若葉竜也と敵対関係に

 三瓶、大迫に加えて、もう一人、忘れてはならない人物がいる。大迫と同じ関東医大に所属する脳外科医の綾野(岡山天音)は、ミヤビから脳動脈瘤の患者の相談を受けた。ミヤビが担当した加瀬誠(前原瑞樹)には未破裂の脳動脈瘤があった。破裂するリスクは年間1%だが、開頭手術をすれば50%以上の確率で重度の障害が残り、最悪の場合、死に至る。開頭手術とリスクの小さいカテーテル手術のどちらを採用すべきか、悩んだ末にミヤビはカテーテルの専門医である綾野に相談した。

 綾野はミヤビに好意を寄せており、そのことを知る三瓶との恋のさや当ての予感もあるが、綾野は西島医療グループの令嬢である麻衣(生田絵梨花)と婚約中で、波乱の気配はそこまでない。それよりも麻衣の暗躍が気にかかる。綾野との政略結婚に応じた麻衣は、綾野がミヤビと会っていると知り、心中穏やかではない。ミヤビのカルテを見せてほしいという三瓶の頼みを勝手に断ったり、ひそかにミヤビと接触するなど、人間関係をかき回しにかかる。裏には祖父である西島秀雄(酒向芳)と大迫の影があった。

 記憶のないミヤビは毎朝、日記を読み返すことで過去の軌跡をたどる。そこから得た知識を元に、まっさらな状態から人間関係を築く。記憶が上書きされないことは、日々の生活に新鮮な驚きを与える一方で、周囲の人間からすれば、それまで築いてきた関係がリセットされることに、歯がゆさを覚えることもあるはずだ。ミヤビを受け入れる仲間の優しさが胸に沁みるが、記憶がないのをいいことにミヤビを利用しようとする人間がいてもおかしくない。脳をめぐるミステリーにサスペンス要素も加わった『アンメット』から目が離せない。

■放送情報
『アンメット ある脳外科医の日記』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週月曜22:00〜放送
出演:杉咲花、若葉竜也、岡山天音、生田絵梨花、山谷花純 尾崎匠海(INI)、中村里帆、安井順平、野呂佳代、千葉雄大、小市慢太郎、酒向芳、吉瀬美智子、井浦新
原作:子鹿ゆずる(原作)・大槻閑人(漫画)『アンメット-ある脳外科医の日記-』(講談社『モーニング』連載)
脚本:篠﨑絵里子
音楽:fox capture plan
主題歌:あいみょん「会いに行くのに」(unBORDE/Warner Music Japan)
オープニング曲:上野大樹「縫い目」(cutting edge)
演出:Yuki Saito、本橋圭太
プロデューサー:米田孝、本郷達也
制作協力:MMJ 
制作著作:カンテレ
©︎カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/unmet/
公式X(旧Twitter):@unmet_ktv

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