伊礼姫奈、“社会人”として新たなステージへ 『毒娘』『EVOL』『推し武道』の手応えを明かす

「どう成長して大人になっていけるのか楽しみ」

ーー伊礼さんは『推しが武道館いってくれたら死ぬ』『EVOL』と立て続けに漫画原作の作品にも出演されていました。実写化作品の演技で特に意識されている点などはありますか?

伊礼:何よりも大事にしたいのは忠実にやるという思いです。参考にできるものがあるという点で演じやすい部分もありはするのですが、プレッシャーは大きいですし、自分が表現しきれないものがあるときは本当に悔しくて。一方で、どうしても原作にしか出せないものがあるのも間違いないので、映像でしか表現できない部分でいかに補うことができるかを考えています。

ーーNHKのスペシャルドラマ『ケの日のケケケ』にも出演されていましたが、『EVOL』など同世代の役者との共演は刺激になるのでは?

伊礼:『毒娘』の佐津川さん、竹財さんといった先輩方から学ぶこともたくさんありますし、どっちも違った良さがあるのですが、やっぱり同世代が多い現場だと刺激を受けます。まだまだ自分は足りないな、もっとこうなりたいなという思うことが多いです。『EVOL』のときのインパクトがすごかったこともあり、青木柚くんと服部美咲ちゃんには本当に驚かされました。なんと言いますか、俳優としてはもちろん、人間としてリスペクトできる部分が本当に大きくて。こんな仲間がいると思えたことですごく救われた部分がありました。同世代ではないですが、過去のインタビューなどでお話させていただいているとおり、清原果耶さんはずっと憧れですし、杉咲花さんもどんな作品を観ても本当にすごいと感じています。

ーー2023年~2024年と出演作が途切れずに活躍の場がどんどん広がっている印象です。伊礼さんとしても、“手応え”のようなものはありますか?

伊礼:少しずつ一度ご一緒させていただいた方と違う現場で再会できたり、また呼んでいただけたり、過去が現在につながっていっている感覚はあります。でも、まだまだ作品を重ねれば重ねるほど、自分の足りないところも見えてくる。本当に俳優は先が長い職業だなと改めて感じています。

ーーはっきりとゴールがあるわけではないですもんね。

伊礼:そうですね。目標にしていたことを達成できたことももちろんあるのですが、そこで絶対に終わりにはならなくて。迷いながらも、「これは合っていたんだ」と今は確認しながら少しずつ進んでいる感覚です。3月に高校を卒業して、今は自分を変えるいい機会だなと思っていて。これからは学生ではなく、“社会人”として、現場での居方だったり、プライベートでもしっかりとした人間になりたいです。もっともっと自分を磨ける時間を増やそうと思っています。

ーー今後は社会人役も演じる機会が増えていきそうですね。

伊礼:まだまだ学生役も演じたいですが(笑)、社会人役も挑戦していきたいです。一度、20歳の役でスーツを着たのですが、全然着こなすことができませんでした。これからしっかり似合うようになっていきたいですし、自分がどう成長して大人になっていけるのか楽しみです。

ーー俳優として、あるいはそれ以外の部分で伊礼さんが今後やってみたいと思っていることはありますか?

伊礼:最近、俳優さんがすごく変わってきたなと感じることが多いんです。監督を務める、脚本を書く、さらには制作会社を作られたりする方もいて。役者を経験しているからこそできることもあると思いますし、実際にそういった作品に出演すると守られている、支えていただけると感じることがありました。いつか私もそんな存在になれたらなと思っていますし、何かを“作る”ことに挑戦したいと思っています。

■公開情報
『毒娘』
新宿バルト9ほか全国順次公開中
出演:佐津川愛美、植原星空、伊礼姫奈、馬渕英里何、凛美、内田慈、クノ真季子、竹財輝之助
監督:内藤瑛亮
キャラクターデザイン:押見修造
脚本:内藤瑛亮、松久育紀
音楽:有田尚史
プロデューサー:山口幸彦、秋山智則、宮崎大
製作:キングレコード、クロックワークス 
制作プロダクション:ジャングルドラム  
配給:クロックワークス
©️『毒娘』製作委員会2024
公式サイト:dokumusume.com
公式X(旧Twitter):@dokumusume_eiga

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