間宮祥太朗はまるで『ハムナプトラ』リック・オコーネル? 『アクマゲーム』でのヒーロー像

 4月期の日曜ドラマ『ACMA:GAME アクマゲーム』(日本テレビ系)は、究極のデスゲームを超VFXで実写化したファンタジー要素が強いドラマとなっている。そんな本作で、新たな冒険ヒーロー誕生を予感させるほどのハマり役となっている間宮祥太朗の演技について掘り下げてみたい。

 『ACMA:GAME アクマゲーム』は、『週刊少年マガジン』で連載されていた、メーブ原作、恵広史作画による漫画作品をドラマ化したもの。99本集めるとこの世の全てを手にすることができるといわれる「悪魔の鍵」を奪い合う物語だ。人間の欲望を刺激する悪魔の鍵に翻弄された人間たちと命懸けの『アクマゲーム』に挑みながら、父親の殺害事件とその真相に関わる「悪魔の鍵」の謎に迫っていく主人公・織田照朝を間宮が演じている。今作の特徴として、鍵を奪い合うために『賭博黙示録カイジ』や『LIAR GAME』のような相手を騙し合うゲーム性と、その究極のデスゲームを超VFXで実写化というSFファンタジー要素が合わさる非常に漫画的な作品なのだが、このトンデモな世界観に間宮の存在感が見事に合致している。

 間宮は、役柄を自分にしっかりと落とし込み丁寧に表現するのがうまい俳優で、15歳でドラマデビューして以来、純愛ストーリーからヤンキーものまで様々な役を幅広く演じてきた。そんな彼の特筆すべき点は個性的な役柄を自然と演じてしまうところだ。鋭い目力が映える美しい顔と、落ち着いた雰囲気の中にある色気。そこに高貴さを感じさせ、“イケメンボイス”も併せ持っている。どこか達観しているようで、キャラによって誠実さだったり、逆にサディスティックさをも感じさせる存在感が魅力だ。そして、どんな役柄でも堂々としていて、照れや迷いのない演技ができてしまうところが観ていて楽しい。そうしたスペックが土台にあることで、変にうまく見せようとするありがちな演技をしないことが、エッジの効いた役を自然と演じられる理由だろう。

 例えば、2016年に初主演したドラマ『ニーチェ先生』(読売テレビ・日本テレビ系)では、仏教学部に通う妙に悟りきったコンビニ店員を演じた。福田雄一監督が作り出すシュールな笑いの世界観の中で、無表情で感情の起伏は表に出さないが、サディスティックな言動を行う面白さ。この浮世離れしたキャラクターが絶妙にハマり、同世代の役者ではあまり見ない個性を確立していた。

 2022年に主演した『ナンバMG5』(フジテレビ系)では、伝説のヤンキー一家に生まれるも、穏やかな青春を夢見て変装しながら普通の学校に通う主人公・難破剛役を演じ、金髪の特攻服姿と黒髪の学ラン姿という対照的な役柄を演じ分けた。この漫画的世界観と、年齢的にも高校生の役は違和感が出そうなものだが、あくまでも真面目に誠実なキャラを迷いなく演じることで、違和感なく見せた。

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