『私の夫と結婚して』でブレイク!  チャンスを必ずモノにするナ・イヌのひたむきさ

 そんな勢いを増すナ・イヌの状況をさらに後押ししたのは、2021年の『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』。三国時代の高句麗で、国を守るために戦う主人公の王女ピョンガンを愛し、彼女を守るために武将となるオン・ダル役を熱演してブレイクしたのだ。当初、オン・ダル役はジスが決定しており、大部分の制作が終了していたなかでスキャンダルが発覚し、ドラマを降板。急きょ白羽の矢が立ったナ・イヌが主演俳優へと抜擢され、撮影し直し、見事に代役をまっとうした。この作品で彼は第35回KBS演技大賞新人俳優賞、ベストカップル賞を受賞している。

 2022年のファンタジーラブストーリー『ジンクスの恋人』では、少女時代のソヒョンと共演し、その運命の王子様ぶりに多くの女性の心をときめかせ、2023年のミステリーサスペンス『ずっとあなたを待っていました』では、初の熱血漢の刑事役を披露。時代劇「哲仁王后」のペ・ジョンオクと現代劇でも再共演となり、また違った新鮮さも楽しめる。

 一方、映画では、2015年に2PM・ジュノの主演作『二十歳』でスクリーンデビュー。ジュノ演じる主人公の弟役として登場(2019年に改名する前の本名「ナ・ジョンチャン」として出演)。近年では、2024年2月に公開されたヨ・ジング×チョ・イヒョンのダブル主演作『同感〜時が交差する初恋〜』に、チョ・イヒョン演じるムニの幼なじみ役として出演している。2022年からは、バラエティ番組『1泊2日 シーズン4』にもレギュラー出演し、飾らないのびのびとした姿を見せた。

 そして2024年、『私の夫と結婚して』が世界配信され注目を浴びるなか、2012年から所属していたCUBEエンターテインメントを離れた、ナ・イヌ。ブレイクするまで下積みを経験しながらも、訪れたチャンスを必ずモノにしてきた努力と運の強さがある。4月には初来日ファンミーティングの開催も予定されているが、まだ兵役に就いていないため、その後はタイミングを見て入隊となるのだろうか。または、国内外での知名度をグンと高めたいま、一度クールダウンして、新しい事務所で心機一転、活動をスタートするのか。今後、三十代となるナ・イヌが、役者としてどんな姿を見せるようになるのか、心待ちにしておこう。

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