ハンス・ジマーが楽曲の制作意図を明かす 『デューン 砂の惑星PART2』特別映像公開

 3月15日に公開される『デューン 砂の惑星PART2』より、音楽を担当するハンス・ジマーの特別映像が公開された。

 フランク・ハンバードのSF小説『デューン 砂の惑星』を『メッセージ』『ブレードランナー 2049』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が映画化し、2021年に公開された『DUNE/デューン 砂の惑星』。世界34の国と地域で初登場No.1、全世界で4億ドルを超すヒットを記録し、第94回アカデミー賞では最多6部門を受賞した。続編となる本作では、ハルコンネン家の策略により一族全員を殺され、唯一生き残ったアトレイデス家の後継者・ポールの復讐が幕を開ける。

  3月1日からアメリカを含む72の国と地域で公開を迎えた本作。初日3日間のオープニング興行収入は、全米では前作が記録した4100万ドルを約2倍上回る8150万ドル、全世界累計でも1億7850万ドル(約267億9100万円※3月4日付BoxOfficeMojo調べ1ドル150.09円換算)という今年NO.1の特大ヒットスタートを切っている。さらにアメリカの大手批評サイト「ロッテントマト」では、批評家のスコアで94%、観客のスコアで95%フレッシュ(※3月4日時点/332レビュー)を記録し、早くも絶賛の声が寄せられている。また日本では、IMAX、DolbyCinemaの合計60館にて、3月8日、9日、10日の3日間限定の先行上映の実施も決定している。

 クリストファー・ノーラン監督をはじめ、多くの映画名監督らが絶大な信頼を寄せる作曲家、アカデミー賞12回のノミネーションを誇る“映画音楽の革命児”ハンス・ジマー。ジマーは、主題歌を手掛けたエルトン・ジョンと共に参加したディズニーのアニメーション映画『ライオン・キング』で、初のアカデミー賞作曲賞、ゴールデングローブ賞音楽賞、歌曲賞を受賞。その後、『グラディエーター』『ミッション:インポッシブル2』『ハンニバル』などアクションやサスペンス超大作に参加。『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』では、誰もが聞いたことのある名曲「彼こそが海賊」を生み出した。

 さらに、『インセプション』『ダークナイト』2部作、『インターステラー』『ダンケルク』などノーラン監督作に続けて参加、『ワンダーウーマン1984』『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』『トップガンマーヴェリック』と、映画の象徴ともなる曲を世に贈りだしてきた。そして、前作『DUNE/デューン砂の惑星』では、再びアカデミー賞作曲賞と、ゴールデングローブ賞作曲賞を受賞。映画音楽として、『デューン』の世界を表現する1人として欠かせない存在となっている。

映画『デューン 砂の惑星PART2』特別映像

 公開された特別映像では、本編映像と共に作曲家ジマーと彼に絶大な信頼を寄せるヴィルヌーヴ監督のインタビューや、作曲メイキング風景が収録されている。また、オースティン・バトラーやハビエル・バルデムなど豪華出演陣がジマーのすごさについて語る姿も確認できる。

 ヴィルヌーヴ監督と同様、子供の頃から原作のファンだったというジマーは、『デューン』に対し並々ならぬ思いを抱いていたという。

 「このような経験は初めてで、あれほど作曲したいと思った小説はありませんでした。親友でもあるドゥニは、ビジョンを持った映画監督です。その上、彼はマジックを私に仕かけてきました。原作では、映画に不向きな“心の内面の独白”があります。監督は(原作の)物語のそういった面を、ナレーションに頼ったりせず、映像で紡ぐ方法を考え出した。前作は、原作とは対照的な映画に仕上げました。前作のエンドクレジットが流れた時、原作本をチェックして『まだ156ページじゃないか! 本格的に始まってもいない』と思ったのを覚えています」と、当時感じた素直な気持ちを明かしている。

 さらにジマーは、前作が劇場公開されている間に、既に最新作の楽曲製作を開始していたという。ヴィルヌーヴ監督は、「前作で最初に参加を決めたのはハンスでしたが、最新作でも彼の参加が最初に決まりました。前作の公開から半年経った時でも、ハンスはまだ『デューン』の曲を作っていて、彼から楽曲が届く中、私はハンスに『(前作の)映画は劇場公開中なのに、まだ楽曲を送ってくるの?』と尋ねたんです。そしたら彼から『そうだよ。でもこれは2作目のインスピレーションとして使って欲しい。止められないんだ!これを聴いて、脚本を書く時のインスピレーションにして』と言われました」とジマーとのやりとりを明かしている。

 またジマー自身も「『デューン』の世界から離れたことはなかった。前作(の製作)が終わった後も曲を書き続けていたので、ドゥニは私のことをかなり狂っていると思ったかもしれません。私は原作を読んで物語を知っていて、これから何が起こるか分かっていた。実際、最新作の主要な曲の多くは、撮影が始まる前、前作(の製作)が終わった時に書いたものです。同じ気持ち、心境のままで、曲を書き続けることが重要だと感じていました」と当時を振り返り、希代の作曲家ジマーにとっても『デューン』が特別な作品であることがうかがえる。

 ジマーは最新作の音楽について、「本作は続編ではなく、連なる作品です。だから前作のスコアを書いた時点で、(最新作では)モチーフをさらに発展させなければいけないと分かっていました。新しいモチーフを書くためには、古い考えを捨てるだけではいけないと強く意識して、発展させ、架け橋のように繋げなければいけませんでした」と語っている。

 ヴィルヌーヴ監督は「ハンスは(前作から)再び、楽器をつくるところから始め、リサーチを重ねていきました。私は、フェイドやハルコンネン家の世界、さらには皇帝を象徴する音楽を作ってほしいと思いつつも、それ以上にチャニを表現する忘れがたい楽曲をつくって欲しいと強く願っていました。ポールのチャニに対する愛を表すラブソング、胸が張り裂けてしまいそうな、史上最高に美しい愛のテーマを求めていたんです。まさにそんな曲を彼は作り上げてくれました。ハンスが書いた楽曲の中でも最も美しい楽曲の一つです。初めて聴いた時は、思わず涙がこぼれました」と、最新作におけるジマー楽曲を大絶賛。

 ポールのチャニに対する愛を表現した楽曲について、ジマーは「本作において、私はチャニとポールの“愛のテーマ曲”は作りたくなかった。2人の恋愛は平凡ではないからです。でも、それは物語の中心でもあります。チャニが、この不毛の惑星を愛する方法をポールに示し、それを通してチャニ自身の強さを示すような、楽曲を目指しました」とコメントを寄せている。

■公開情報
『デューン 砂の惑星PART2』
3月15日(金)公開
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
撮影:グリーグ・フレイザー
出演:ティモシー・シャラメ、ゼンデイヤ、レベッカ・ファーガソン、ジョシュ・ブローリン、オースティン・バトラー、フローレンス・ピュー、デイヴ・バウティスタ、クリストファー・ウォーケン、レア・セドゥ、ステラン・スカルスガルド、シャーロット・ランプリング、ハビエル・バルデム
配給:ワーナー・ブラザース映画
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