『ブギウギ』第23週は小野美音の“名演オンパレード”に 響き渡る愛子の叫びのリアルさ
渡米当日、スズ子は愛子に別れを告げる。最初はスズ子を遠くから見つめるだけだった愛子だったが、スズ子が「おいで」と優しく促すと、スズ子の目をじっと見つめながら抱きつく。「マミーはな、愛子のことが好きや。何よりも大切や。宝物や。せやけど、マミーはもっともっと大きな歌手になりたいねん」と語りかけるが、愛子は「いやや」と泣きわめく。スズ子が愛子のもとを離れる理由を正直に語ったとしても、愛子にとっては母親と離れることそのものが寂しい。思い返すと筆者も小さい頃に親と離れて生活する機会があったが、その度に泣いていた思い出がある。だが、その経験はきっと今後の成長の糧にもなるはずだ。
それにしても愛子役の小野美音の名演には改めて驚かされた。スズ子の目を見つめてから抱きついて泣いてすがるまでの一連の行動には子どもならではの仕草が詰め込まれていたし、何よりもスズ子が家を出た後に響き渡る愛子の叫びがとてもリアルなものとして受け取れた。
スズ子がアメリカにわたって3カ月が経ち、日本では新しい自宅が完成した。そんな中、スズ子から手紙を受け取った家政婦・大野(木野花)が愛子に読み聞かせると、別れ時にはあれだけ泣いていた愛子も晴れやかな表情を見せる。そしてスズ子に向けて愛子は精一杯の絵を送るのだった。次回はスズ子が日本へと帰ってくる。