『アイのない恋人たち』本郷奏多×成海璃子の美しいハグ “アイ”を克服し始めた登場人物たち
『アイのない恋人たち』は、“アイ”(「愛」「見る目」「自分」)という欠けたピースを持ちながら、日々を送る男性たちの物語からスタートした。しかし、物語が進むにつれ、彼らは徐々にそれぞれの問題を克服し始めていることが垣間見える。
「最後だから言わせてもらいますけど、あなたは自分がない人なんかじゃない」
栞と関係を深めるにつれて、多聞は怒りも含めて「自分」をさらけ出せるようになっている。真和は絵里加と愛との関係性から「愛」について考え、雄馬は奈美と本気で向き合ったことで、「見る目」よりも時間をかけて関係性を積み上げる大切さを知った。すでに彼らの胸の中には、それぞれの“アイ”が確立されているのではないか。
そして、全ての“アイ”(「愛」「見る目」「自分」)は別物ではなく、実のところ、根の部分は繋がっているのだろう。“アイ(自分)”を見つけた多聞が、栞との“アイ(愛)”を手にしたバス停での抱擁のシーンを観て、そう確信した。
さらに第7話では、「迷惑かけないで生きていける人間なんて、この世にいるのかね?」という雄馬の祖母の言葉がキャラクターたちを貫いていく。
引きこもりの絵里加の兄・雅樹(池田努)、プロデューサーに啖呵を切って仕事を降りてしまった真和、結婚式をドタキャンした雄馬と奈美……と問題児だらけの本作。それでも全員不器用ながらも真っ直ぐに生きているからこそ、誰1人として憎めない。絵里加の兄を部屋から連れ出すために、“散歩”に誘った真和の「本当は自分が、一生脚本書いていく自信がなくなったんです」というセリフの正直さは彼の誠実さの表れでもある。
選択を間違ってもいい。誰かに迷惑をかけてもいい。それでも、前に進もうとすることだけは諦めてはいけない。真和が最後のモノローグで示したように、「今いる場所に止まっていては、何の解決にもならないから」。『アイのない恋人たち』の登場人物たちは、転んでも傷ついても、毎話少しずつ成長していく。そんな彼らを観ていると、ほんの少しだけ、自分の欲に従って精一杯足掻いてみるのも悪くないと思えるのだ。
■放送情報
『アイのない恋人たち』
ABCテレビ・テレビ朝日系にて、毎週日曜22:00~放送
TELASA、U‐NEXTにて、見放題配信
TVer、ABEMAにて、放送終了後見逃し配信
主演:福士蒼汰、岡崎紗絵、本郷奏多、成海璃子、前田公輝、深川麻衣、佐々木希
脚本:遊川和彦
演出:綾部真弥、吉川鮎太
音楽:平沢敦士
制作協力:ホリプロ
制作著作:ABCテレビ
©︎ABCテレビ
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