『ブギウギ』“ほぼ毎週”のステージはいかにして作られているのか 「買物ブギ」撮影の裏側

 そんな趣里のパフォーマンスをさらに引き立てたのが、華やかな美術セット。福岡は「“とにかくステージを楽しく見せたい”ということが美術スタッフとの共通認識です。その中で演出の荻田(浩一)さん含めて話し合い、パネルをひっくり返したり、“OSSAN”が出てきたり……古典的なアイデアですが、古臭くなく、楽しく見せられたのは良かったかなと思います」とした。

 『ブギウギ』ではほとんど週に一度、何かしらのパフォーマンスを放送してきたが、キャスト、スタッフの休みを確保しながらそれをクリアするため、朝ドラの通例である“月曜日にリハーサル、火水木金に撮影”といったスケジュールにとらわれずに撮影を実施。ステージのリハーサルはしっかりと行う一方で、芝居部分のリハーサルを極力少なくすることで趣里の負担を減らし、空き時間にステージの衣装のフィッティングやメイクの確認、歌や踊りの練習をしてきたという。

 劇中ではスズ子が〈ややこし、ややこし〉と「買物ブギ」の歌詞に苦戦するが、趣里は毎回、約1カ月で新曲を仕上げるペースで撮影に取り組んできたといい、「事前に音源と歌が入ったデモはお渡ししていますが、その頃はその頃で別のステージを準備していただかなくてはいけないので、本当にあっちをやって、こっちをやって、というかたちで進めていました。「買物ブギ」の本格的な練習は撮影の合間を縫って11月頃から始まり、ステージは12月の末に撮影しました」と振り返る。

 あらためて福岡は「そうとう大変だったと思う」と趣里を慮り、「歌唱ステージの姿がどんどん魅力的に成長していくところまで表現できているのはすごいことですし、本当に頭が下がります。でも、面白いと思うんですよね。これくらい毎週のように歌が出てきたら楽しいじゃないですか。とはいえ、なかなかチャレンジングな企画だったなと自分でも思います」と本音をのぞかせた。

 第23週の予告には、病床に伏す梅吉(柳葉敏郎)や、産みの母であるキヌ(中越典子)の姿もあり、いよいよ物語も佳境へ。一方で、新たなビジネスパートナーとなったタケシと歩み始めたスズ子の、ますますパワーアップしたステージにも期待したい。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、生瀬勝久、小雪、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
語り:高瀬耕造(NHK大阪放送局アナウンサー) 
脚本:足立紳、櫻井剛
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー:橋爪國臣
演出:福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
音楽:服部隆之
主題歌:中納良恵 さかいゆう 趣里 「ハッピー☆ブギ」
写真提供=NHK
公式サイト:https://nhk.jp/boogie

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