インド×ヒップホップが見事に融合! 『ストリートダンサー』のダンスバトルに興奮必至

インドの伝説級ダンサー、プラブデーヴァーの存在感

 『ABCD』シリーズ全作に出演するプラブデーヴァーは、謎多きレストランオーナー役として登場。1999年にドイツ・ミュンヘンで開催されたマイケル・ジャクソンのコンサートにインドを代表するパフォーマーとして参加した経験もある彼は、俳優、振付師、さらには映画監督として言語圏を超えて活躍するスーパーダンサーだ。

 幼少期より学んだ南インド古典舞踊の美しい所作と、長い手足を柔軟にしならせるダンスはスキルフルかつ個性的で、時折マイケルの影響も覗かせるムーヴも挟みつつ、ベテランの風格で圧倒的な存在感を放っている。本作のダンスシーンで使われる曲「戦いだ(Humse Hai Muquabala)」は、彼の出世作でもある1994年の『Kaadhalan(恋しい人)』挿入歌のリメイクでもある。

祖国の誇り、友に捧げる渾身のステップ

「ダンスの掟は1番、2番じゃない」

 その強い想いを胸に、「グラウンド・ゼロ」優勝に向けて奮闘する主人公サベージは、大会の常連である強豪「ロイヤルズ」からスカウトを受けて入団。自身のチーム「ストリート・ダンサー」は空中分解してしまう。

 そんな中、ライバルチーム「ルール・ブレイカーズ」のイナーヤトは、インドとパキスタンを抜け出してきた不法滞在者たちの厳しい貧困を目の当たりにし、祖国と彼らのために賞金を勝ち取ろうと仲間で結託する。

 自分のために踊るのか、それとも他人の力になるために踊るのか。

 そしてサヘージは自身のルーツと向き合い、誇りを取り戻せるのか……。

 単なる動きを超え、祈りにも似たダンス本来のパワーが炸裂するエンターテインメント作品を是非スクリーンで体験してほしい。

 何よりインド映画の世界は、細かいことを気にして傍観するより参加した方が底抜けに楽しいのだ。

映画『ストリートダンサー』予告編

■公開情報
『ストリートダンサー』
3月1日(金)より、新宿ピカデリーほかにて公開
監督:レモ・デソウザ
出演:ヴァルン・ダワン、シュラッダー・カプール、プラブデーヴァー、ノーラー・ファテーヒー
配給:SPACEBOX
2020年/インド/ヒンディー語/142分/G/原題:Street Dancer 3D/日本語字幕:佐藤裕之
©Remo D’Souza Entertainment ©T-Series ©UTV Motion Pictures
公式サイト:https://spaceboxjapan.jp/streetdancer/

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