夏帆、麻生久美子&宮﨑あおいとの共作に舞い上がる 「こんなに好きが詰まった座組みが」

 夏帆は「青春のリグレット」で、結婚して4年で夫に浮気をされ、夫婦関係が破綻しかけている菓子を演じる。夏帆は役柄について、「一言でこういう役って表せられないのが、この役の魅力」と前置きしながらも、「今まで、ちゃんと本気で人と向き合ってこなかった人で、大きな挫折をきっとしたことがない彼女が、夫から離婚を切り出されて、昔の恋愛を思い出して、自分がしてしまった、言ってしまったことから、相手をどれだけ傷つけたのかを知っていく――そんな彼女の成長物語でもあるんじゃないかな」と人物像を紹介。

 宮﨑は自身が芝居をするカナコについて、「お父さんを早くに亡くして、シングルマザーの母が育ててくれたという経緯もあったり、人と自分から距離を縮めようとしなかったりする人」とその生い立ちを話しながら、「普段よりは少しゆっくり話をしてみようかなと考えたりしました。語尾はちょっと上げてくださいとか、ここはトーンを下げていくださいとか、(奥山)監督が丁寧に演出をしてくださる方で、私はそれがすごく好きで。監督の思い描くカナコさんに少しでも近づけるように、毎日楽しくお芝居をしていました」と撮影の日々を回顧していた。

 題材になっているそれぞれの楽曲については、夏帆が「青春のリグレット」の〈私を許さないで 憎んでも覚えてて〉の歌詞が第1週のストーリーの核になっていると話す。「演じていても不思議な気分になるというか、曲の世界観そのものではないんですけど、自分がユーミンさんの歌の世界に入り込めているような。実際に歌詞に出てくるようなシーンがあったりするんですよ。そんなシーンを撮っていて、今、私ユーミンさんの世界にいられているのかもっていう、喜びがあったりしていました」と収録を経ての体験談を語る。

 麻生は今回のドラマの話を受けて「冬の終り」を改めて聴き返したという。主人公はスーパーでパートとして働く藤田朋己。描かれるのは新しく入ったパートの仙川真帆(篠原ゆき子)を巡る友情物語だ。「脚本になった時も、小説を読んだ時とはまたさらに違った印象を受けたので、それぞれが自由に作品を膨らませていく感じがしたのが良かったなと思いました。私もその一員の中で、役者として動けていたかなと思います」と謙遜しながらも答えていた。

 母が大のユーミンファンで撮影に入る前は母と一緒にライブを鑑賞したという宮﨑。その公演では「春よ、来い」も歌われていた。「ユーミンさんのパワーとか声の感じ、思いを、役者として私なりにバトンを受け取って。現場にいる時は、ユーミンさんの声がどこかで流れているような意識を常に持って過ごしていたような気がします」と語った。

 また、各話の見どころについては代わりに制作統括の神林が、「1編を15分で4話までしか描けないということが、まず作っていく上で非常に難しい部分でした。その15分それぞれに山を作っているので、全部が見どころなんですけれども、全てユーミンさんの曲でありながら、一つひとつ違う個性を持って生み出された作品なので、曲がどんな形で登場するのかっていうところは、まず見どころかなと思います。3編とも全く違った形で、曲の扱い方も含めて、単純にBGMとしてかかるとか、エンディングでかかるということではない、曲それぞれに意味を込めて作っているので、どんな形で曲が登場するのかということも楽しみにご覧いただければと思います」とアピールしていた。

 なお、会見の会場には各話の演出を担当した菊地健雄、箱田優子、奥山大史も姿を見せていた。

■放送情報
夜ドラ 『ユーミンストーリーズ』
NHK総合にて、3月4日(月)スタート(各話15分・全4回)

第1週「青春のリグレット」
3月4日(月)~3月7日(木)22:45~23:00放送
原作:綿矢りさ『Yuming Tribute Stories』より
脚本:岨手由貴子
出演:夏帆、金子大地、片桐はいり、中島歩ほか
演出:菊地健雄

第2週「冬の終り」
3月11日(月)~3月14日(木)22:45~23:00放送
原作:柚木麻子 『Yuming Tribute Stories』より
脚本:ねじめ彩木
出演:麻生久美子、篠原ゆき子、伊東蒼、クリスタル・ケイ、浅田美代子ほか
演出:箱田優子

第3週「春よ、来い」(15分×4話)
3月18日(月)~3月21日(木)22:45~23:00放送
原作:川上弘美 『Yuming Tribute Stories』より
脚本:澤井香織
出演:宮﨑あおい、池松壮亮、白鳥玉季、小野花梨、岡山天音、田中哲司ほか
演出:奥山大史

劇伴音楽:青葉市子
制作統括:遠藤日登思(アミューズ)、神林伸太郎(NHK エンタープライズ)、藤並英樹(NHK)
制作・著作:NHK、アミューズ

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