『薬屋のひとりごと』壬氏役・大塚剛央のすごさはどこにある? 名場面で振り返る声の色気

『薬屋のひとりごと』壬氏役・大塚剛央の色気

壬氏に通ずる誠実キャラたち

 恋愛小説的な甘い魅力がある一方で、壬氏は猫猫や周囲に対する誠実な側面を持っている。

 第19話、気を失いかけた猫猫を必死に起こそうとする壬氏。猫猫を思うがゆえの悲壮な声には、大塚の代表作といえるキャラクターたちの面影が感じられた。

 大塚が演じた代表的なキャラクターの一人が、大学駅伝を描いたアニメ『風が強く吹いている』の蔵原走。

10分で分かる!TVアニメ「風が強く吹いている」ダイジェストPV

 走ることに真剣で、不器用ながらも周囲と思いを通わせていく蔵原の声には、猫猫に向かって叫ぶ壬氏にも通ずる必死さがあった。

 なお、壬氏に似た大塚の担当キャラクターとしては、過去が重すぎるとして話題の人物『アイドルマスター SideM』の眉見鋭心にも言及したい。

 眉見は文武両道の生徒会長からのアイドルデビュー、というハイスペック人物なのだがその過去が重く、エピソードが公開された際にはネットで大きな話題を呼んだほど。

 正義を貫く誠実な面と重い過去を抱えた演じるのが難しい人物に、大塚は真っ直ぐな声をあてていた。

 人には話せない秘密を抱えながら、後宮で宦官としてひっそりと生きる壬氏。彼のなかにある子どものような実直な心は、大塚だからこそ表現できたのではないだろうか。

 『薬屋のひとりごと』において、王子キャラとしての絶対的な立ち位置を担う壬氏。壬氏の声には自分を完璧に見せようとする芝居気と隠しきれない誠実さがあり、テキストだけではわからない壬氏の性格を表していた。

■放送情報
『薬屋のひとりごと』
日本テレビ系にて、毎週土曜24:55〜放送
各種配信プラットフォームにて、放送終了後順次配信
キャスト:悠木碧、大塚剛央、小西克幸、種﨑敦美、石川由依、木野日菜、甲斐田裕子、潘めぐみ、小清水亜美、七海ひろき、斉藤貴美子、家中宏、赤羽根健治、久野美咲、かぬか光明、桐本拓哉
ナレーション:島本須美
原作:日向夏(ヒーロー文庫/イマジカインフォス刊)
キャラクター原案:しのとうこ
監督・シリーズ構成:長沼範裕
副監督:筆坂明規
キャラクターデザイン:中谷友紀子
色彩設計:相田美里
美術監督:髙尾克己
CGIディレクター:永井有
撮影監督:石黒瑠美
編集:今井大介
音響監督:はたしょう二
音楽:神前暁、Kevin Penkin、桶狭間ありさ
オープニングテーマ:Uru『アンビバレント』
エンディングテーマ:wacci『愛は薬』
アニメーション制作:TOHO animation STUDIO、OLM
製作:「薬屋のひとりごと」製作委員会
©日向夏・イマジカインフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会
公式サイト:kusuriyanohitorigoto.jp
公式X(旧Twitter):@kusuriya_PR

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