父親の死について尋問される息子と執拗に詰め寄る検事 『落下の解剖学』本編映像公開
2月23日よりTOHOシネマズ シャンテほかにて全国順次ロードショーされる『落下の解剖学』の本編映像が公開された。
本作は、『愛欲のセラピー』『ソルフェリーノの戦い』などのジュスティーヌ・トリエ監督が手がけたヒューマンドラマ。第76回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞、第81回ゴールデングローブ賞では、脚本賞と非英語作品賞の2部門を獲得、そして第96回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、編集賞の5部門でノミネートを果たし、本国フランスでは観客動員130万人超えの大ヒットを記録している。
人里離れた雪山の山荘で、男が転落死した。はじめは事故と思われたが、次第にベストセラー作家である妻サンドラ(ザンドラ・ヒュラー)に殺人容疑が向けられる。現場に居合わせたのは、視覚障がいのある11歳の息子だけ。事件の真相を追っていく中で、夫婦の秘密や嘘が暴露され、登場人物の数だけ“真実”が現れるが……。
公開された本編映像は、父親の死について、息子のダニエルが尋問される様子を捉えたもの。視覚障がいを持つダニエルは、父親の死の現場を発見した唯一の証人である。事故か、自殺か、殺人かーー。未だ解明の手がかりがないその死因について証言するため裁判所に出廷。その後、さらなる詳細な尋問を受けることになる。
「口論ではどっちが攻撃的だった?」「お父さんが死んだ日も、口論が始まって外に?」「外で2人の声を聞いたと言ったね?」と矢継ぎ早に繰り出される検察からの質問に、記憶を辿りながらもしっかりとした目で返答を戻すダニエル。一方、「両親はケンカをしてなかった」という彼に、「なぜ言い切れる?」「本当に声が聞こえたのか?」と執拗に詰め寄る検事。一体何が真実なのか。置かれた立場によって変わっていく“主観”とは何かを考えさせられるようなシーンとなっている。
劇中、母親の運命を左右する証言を自身の記憶を頼りに明らかにするダニエル役を演じたのは、ミロ・マシャド・グラネール。トリエ監督がキャスティングに約7カ月かかったと明かすダニエルを体現した、少年の複雑な表情にも注目だ。
■公開情報
『落下の解剖学』
2月23日(金・祝)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国順次ロードショー
監督:ジュスティーヌ・トリエ
脚本:ジュスティーヌ・トリエ、アルチュール・アラリ
出演:ザンドラ・ヒュラー、スワン・アルロー、ミロ・マシャド・グラネール、アントワーヌ・レナルツ
配給:ギャガ
原題:Anatomie d'une chute/2023年/フランス/カラー/ビスタ/5.1chデジタル/152分/字幕翻訳:松崎広幸/G
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