『新空港占拠』カギを握る“山猫”の正体を考察 本庄の二重スパイ説に“謎の男”公安説も
櫻井翔主演の日本テレビ系ドラマ『新空港占拠』の第4話は、黒幕に「山猫」なる第三の勢力が浮上し、これまで事件解決に向けて指揮してきた和泉さくら管理官(ソニン)がまさかの裏切り者か? という衝撃のラストとなり、さらに混沌とした状況に。そこで第4話のポイントをおさらいし、山猫の存在、そして和泉は裏切り者なのかなど検証してみたい。
シークレット動画に映る漁船の破片らしきものの意味は?
まず、武蔵(櫻井翔)が1年前の病院占拠事件である首謀者の青鬼こと大和耕一(菊池風磨)と拘置所で対峙。大和は獣の1人「蛇」である駿河(宮本茉由)と病院占拠事件の時から繋がっていたため、獣の目的を聞き出す。大和は駿河を「ビジネスパートナー」として、駿河は大和の要望に応えて計画をシミュレーションし、駿河からの唯一の要望はデータ収集のために事件を最前線で見届けることだと答えた。つまり、1年前の時点で空港占拠に向けて駿河は動いていたのだ。そして大和は「十二支に入れなかった動物、何だか分かりますか?」と告げて退席。武蔵の相棒として動いている横浜署の本床警部補(瀧内公美)はそれが「猫」だと気づく。
第4話はここからが本題だ。
獣の「虎」が病院占拠事件の時にSAT(特殊部隊)の管理官だった丹波一樹(平山浩行)、「猿」は丹波の息子で元巡査の直樹(岩瀬洋志)だと明かし、北見(手塚とおる)の嘘を暴けと武蔵に要求。北見はワクチン開発のP2計画の首謀者として病院占拠事件に関連した複数の罪に問われ、現在逃亡中だ。かながわ新空港顧問弁護士でもある米沢秀夫(長田成哉)の画策によって、顔を整形し、壬生正雄として海外へ高飛びをしようとしていた。
“北見の嘘”とは、丹波の妻でフリージャーナリストの愛が、半年前に記事の捏造疑惑が持ち上がり自殺したとされていたが、真相は、愛が北見の行方を追ううち、5年前の事件に横浜署の署長・川越(片桐仁)が関わっていたことを突き止め、北見が愛を殺すよう川越に指示していたことだった。ただ丹波は「お前には地獄の先を見せてやる」と、更なる罪を暴くことを示唆。そして、かながわ新空港社長の天童(黒沢あすか)が、北見に「北見先生? 本当にあなたなんですか?」と聞いてたことからも繋がりがあることが分かる。
今回、馬、猪、牛が正体を現わし、天童に「忘れたとは言わせないぞ。今度はお前から奪ってやる」と言っており、公式サイトのシークレット動画には漁船の破片らしきものが映っている。空港は埋立地で、漁業や土地が奪われた地元の人たちか、それとも漁船が空港建設の際に海難事故に遭って隠蔽され、証拠となる船や犠牲者が空港の下に埋蔵されてしまったのか。いずれにせよ、愛が追っていた5年前の事件が空港占拠に繋がりそうだ。
“謎の男”は山猫を追う公安のような存在なのか
一方、武蔵の妻・裕子(比嘉愛未)を拉致した謎の男(ジェシー)を追う謎の警官・綾部朔(吉田健悟)は、川越の指示で動いていて、「女医も娘も始末しろ」とメールも出していた。つまり綾部は獣ではなく、北見などの闇組織側の警察であり、裕子と娘を殺してまでも“謎の男”は知られてはいけない存在ということになる。川越がここまで必死なのは、愛が追っていた5年前の事件に関わる証拠を“謎の男”が持っているからか。
また、悪事が暴かれた川越は水を飲み、「俺たちはみんな山猫の手のひらで踊らされている。北見ですら山猫の操り人形にすぎない。誰も山猫の正体知らない。そいつを突き止めようとしたものは全員……」と言いかけ泡を吹いて死ぬのだが、やはり“謎の男”も山猫の正体を知ったために追われていると考える。大和が匂わせた猫とは山猫のことなのだろうか?
また、“謎の男”が綾部から裕子を助けたのを見ると、最初に裕子を拉致したのは護衛するためとも思える。第1話で裕子は知らずに女の子を差し置いて後から運ばれてきた代議士の妻を手術をしたことで、指示した棚倉部長に「オペの順番をかえるなんて、何度同じことを」と抗議していたが、指示した棚倉の罪を暴く為に、証人となる裕子に接触したという線も考えられる。“謎の男”の素性はまだ分からないが、単独行動なので獣ではないが、獣たちと目的は一緒、つまり猫なのだろうか。ただあの拳銃の構えは本職のようにも見え、山猫を追う公安や『VIVANT』(TBS系)のような別班という可能性も。