福士蒼汰「“自分”というものは5年前まではゼロに近かった」 30代は“動き回ること”を意識

 遊川和彦が脚本を手がけるオリジナルドラマ『アイのない恋人たち』が、1月21日よりABCテレビ・テレビ朝日系でスタートする。2024年の東京を舞台に、恋愛偏差値が低いワケあり男女7人が織り成すラブストーリーで主演を務めるのは、遊川作品初出演となる福士蒼汰。2023年は『THE HEAD』で海外デビューも果たした福士に、本作や自身の現状について話を聞いた。(編集部)【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

脚本家役は「遊川(和彦)さんの雰囲気を見ながら」

――まずは、遊川和彦さんの台本を読んだ感想を聞かせてください。

福士蒼汰(以下、福士):遊川さんの作品ですから、個性的な登場人物が出てくるんだろうとワクワクしながら読みました。男女7人全員が個性的で、恋愛不適合者が集まっている様子が描かれていたので、そんな彼らがこれからどうなっていくんだろう、とすごく楽しみになりました。

――福士さんは、ご自身が演じる久米真和をどのような人物だと思いますか?

福士:真和は脚本家ですが、脚本家という仕事をとても崇高な職業だと捉えていて、この仕事を通して人を変えられると思っているし、脚本作りにすごく熱い思いがあります。だからこそ、何かをやり遂げないといけないという使命感に溢れていて、恋愛もできない。友人にも迂闊に連絡できないような人物です。まだ何もなし遂げていないからと、まわりとちょっと距離を取っているような人だと感じます。

――そんな真和に共感できる部分はありましたか?

福士:人との間に透明な分厚い壁があるような距離感は、すごく理解できると思いました。真和は、一度自分の枠の中に入れた人のことはすごく大切な存在になるけれど、その外側の人はそんなに大切にする時間も能力もないように思っている。一回中に入れると仲間意識が強くなるところは似ているかもしれないです。

――なるほど、ありがとうございます。脚本家という役どころは、福士さん自身の役者の仕事と近い職業かと思います。

福士:実は今、別の作品で実際に僕が脚本を書いて監督をやっているんです。そんなこともあり、書くことについてはすごく理解できる部分がありました。遊川さんが感じているものも理解できましたし、真和がプロデューサーから「来週までに、早めにお願い」などと言われていたり、「ここって必要ないと思うんだけど」とザクッと言われて「いや、これは必要なんですよ」というやり取りをするところも、共感できました。

ーー役作りで工夫したことはありますか?

福士:役作りの面で話すと、遊川さんご自身のことも脚本に投影されているのだろうということを、すごく感じています。実際に、真和が執筆の前に逆立ちをするというのも、遊川さんが若い頃にされていたルーティーンなんです。逆立ちをすると頭に血がのぼって酸素が行き渡るということを、本当に信じてやっていた時期があったとおっしゃっていました。多分、脚本家が描く「脚本家の役」は思い入れも強いだろうし、リアルだと思うので、遊川さんの雰囲気を見ながら演じようと思います。

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