『京城クリーチャー』に感じる“物足りなさ” パク・ソジュン×ハン・ソヒのロマンスに期待

 Netflixにて配信中の『京城クリーチャー』が話題となっている。『梨泰院クラス』で世界的スターとなり、『マーベルズ』(2023年)でMCUにも出演したパク・ソジュンと、『マイネーム:偽りと復讐』のハン・ソヒ主演で、700億ウォンの制作費が投じられたとあり、公開前より期待の高かった本作。本稿では、第1話~第7話で構成されるパート1の内容をご紹介したい。

 本作は、1945年春、大日本帝国により統治されていた時代の京城(現在のソウル)を舞台に、人間の貪欲さによって生み出された怪物の脅威にさらされながら、2人の若者が生き残るために奮闘する姿を描くクリーチャースリラー。物語は、日本の敗戦が濃厚となり、日本軍のある部隊に「全軍撤退」の伝令が入ったところから始まる。

 「全ての資料と研究記録は本国に送るが、持ち出せないものは、全部焼却するように」の命を受けた軍人たちは、人体実験を行っていた痕跡を隠滅するため、大量の遺体や捕らえていた人々を銃殺し、書類や施設と共に爆破してしまう。物語の冒頭から、凄惨な場面が映し出されて思わず目をそむけてしまいたくなる。

 ここから場面は展開し、行方不明者を探す専門家“トドゥクン”のハン・ソヒ演じるユン・チェオクと、その父ユン・ジュンウォン(チョ・ハンチョル)が、京城にやって来たところが映し出される。チェオクとジュンウォンは、10年前に行方の分からなくなったチェオクの母であり、ジュンウォンの妻を探しに京城にやって来たのだ。

 そして場面は変わり、パク・ソジュン演じるチャン・テサンが警務官の石川(キム・ドヒョン)から拷問されるシーンから物語が動いていく。テサンは、京城一の資産家で質店「金鈺堂」の社長として、京城一の情報通だった。テサンは、京城を仕切る家門で将軍の娘であり、石川の妻の前田由紀子(スヒョン)に近づいたことで不倫と誤解され拷問を受けていた。しかし、石川は不倫を疑っていたのではなく、石川の愛人で春月館の妓生(韓国の芸者)である明子(ジウ)を捜し出せとテサンに命じる。テサンは石川から、失踪した明子を桜の花が落ちるまでに捜し出せなければ、全てを失うと脅される。

 テサンは、明子の行方を追ううちに、偶然チェオクと運命的な出会いを果たす。2人の出会いのシーンはとても美しく、さすが制作にスタジオドラゴンが加わっているだけあると膝を打ちたくなる。スローモーションを駆使した出会いのシーンで、チェオクの長い髪がたなびく美しい姿に、テサンは一瞬にして恋に落ちた。ここで2人は戦うのだが、パク・ソジュンを相手に、ハン・ソヒは一歩も引けを取らず見事なアクションを見せている。

関連記事