兵頭功海、『下剋上球児』を経て大ブレイクへ “役者を続けていく”覚悟を明かす

「自分は何者でもない」と受け入れてから見えたもの

――兵頭さんは芸能界を目指して福岡から上京されたそうですが、なかでもなぜ俳優だったのでしょうか?

兵頭:僕は小さな頃から、家でよく映画を観ていたんです。家族でソファに座って、みんなで毛布にくるまりながら、ウィル・スミスさんが出ている洋画とかを観ていて(笑)。父がすごく映画好きで、最近「実は俺も映画を撮ってみたいと思っていたんだよね」と言っていました。もちろん本気で目指していたわけではないと思うけど、そんな父に影響されて「映画っていいな」「出てみたいな」と思ったことがきっかけで、俳優を目指そうと思いました。

――これまでに俳優として悩む時期もあったと思いますが、「やめよう」と思ったことはないですか?

兵頭:僕は1回やると決めたことをやめることは滅多にないんです。極論、僕が生きていれば俳優ではいられるので、やめようと思ったことはないですね。ただ、1回折れました。自分は何者でもないというか、何もできないんだなって。

――その挫折をどう乗り越えたのか聞かせてください。

兵頭:「戦隊モノに出られた」とか、これまであった自信を、「この程度なのか」と自分で認めることにしたんです。「自分にはできないんだ、そんなに世の中の人は自分を知らないんだ、別に求められてもいないんだ」と一度しっかり認めたことが良かったのかなと思います。

――それってすごく難しいことですよね。もちろん、できると思ってスタートしているはずですし。

兵頭:できると思っていなければ、やれないこともたくさんありますからね。でも、当時は顔もどんどんやさぐれてしまい(笑)。そういう時期もありましたけど、1回折れ切ったら這い上がるしかないですし、ちょうど環境が変わって周りに救われることもたくさんあって、ちょっとずつ、ちょっとずつ頑張ろうと思いながらやってきた感じです。

――救われたというのは?

兵頭:今のマネージャーさんもそうですし、もちろんファンの方々もそうです。たとえ僕が作品に出ていなくても、SNSを更新すると反応してくれる方がたくさんいて。この人たちのためにも頑張らなきゃいけないと思うし、僕のファンの方は作品を楽しみにしている方がすごく多いんです。イベントでも「ここのお芝居が好きです」と言ってくれる方が多いので、ちゃんと観てくれているんだなと伝わってきて、それも原動力になっています。

――ドラマに映画、写真集の発売と充実した1年だったと思いますが、2023年を振り返っていかがですか?

兵頭:昔からマネージャーさんと、「この作品に出られた、誰かと出会えた」という点がいっぱいあって、いつかそれが繋がるときが来る、という話をしていたんですけど、それがやっと繋がった年だったなと思います。『ドラフトキング』(WOWOW)でムロツヨシさんに出会って、自分もこうやって愛される人になりたいなと思ったし、すごくカッコいいスタッフさんたちがいっぱいいて、その方たちのおかげで『CODE-願いの代償-』(読売テレビ・日本テレビ系)に出させていただいて。そこで坂口(健太郎)さんと出会って、「こうやって真ん中に立てる人ってカッコいいな」と思うようになって。僕がやってきた野球が『下剋上球児』で活かせましたし、すべてが繋がっていることを実感できた1年でした。

――いい1年ですね。

兵頭:ですね。でも、夏くらいから今日まであっという間で、あまり記憶にないんです(笑)。それくらい没頭して、この1年を走り抜けたかなと思います。

2024年へ向けて

――ここからが役者として大事な時期になってくるかと思いますが、2024年への思いは?

兵頭:2023年は「僕のお芝居を観てもらうために知ってもらう年にしたい」というところから始まって、2024年もそれは続くかなと思います。僕には今年、「真ん中に立てる俳優になりたい」という目標ができたので、それを叶えるためにも、もっと頑張っていきたいです。個人的には『下剋上球児』で学んだお芝居の考え方や感覚が、他の現場でどこまで通用するか試したいなと思っています。

――その際にどうだったか、またお話を聞けるのが楽しみです。兵頭さんは『CODE-願いの代償-』からの『下剋上球児』出演で、同じ役者さんだとわからない「カメレオン俳優」との声もありました。

兵頭:「カメレオン俳優」と言っていただけるのはすごく嬉しいんですけど、兵頭功海だということが一致しないのは一致しないで、ちょっとあれだなと(笑)。でも、「この人は『ゼクシィ』の子だったんだ」といった声がすごく多かったんですよね。そうやって役が前面に出る役者もいれば、役を超えて自分らしさが出てくる役者もいて、そこに正解はないと思うんです。ただ、今回塚原さんの演出によって、「僕は自分らしさが出る役者にもなれるのかな」と考えるようにはなりました。その結果、「カメレオン俳優」と言われるようになれば嬉しいですし、「兵頭功海と言ったらこれだよね」という何かができても嬉しいですし。すべては結果なのでわからないですけど、いろいろと変化しながら演じていけたらいいなと思います。

――最後に、兵頭さんが役者を続けてきてよかったと思う瞬間、これからも役者を続けていく意味を教えてください。

兵頭:役者を続けてきて良かったと思える何かは、まだ残せていないのかなと思います。誰もが知っていて、永遠に残るような作品に出られたらいいなとは思うけど、「役者を続けてよかったな」とは死ぬときまで思えないのかなって。そう思える日のために、これからも役者を続けていくんだと思います。

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