『屋根裏のラジャー』母娘役で初共演 鈴木梨央×安藤サクラが語る、“想像力”の重要性

 『メアリと魔女の花』のスタジオポノック最新作『屋根裏のラジャー』は、少女の想像から生まれたイマジナリーフレンドを描いたファンタジー作品だ。“イマジナリ”の主人公ラジャー役で主演を務めた寺田心を筆頭に、仲里依紗、杉咲花、山田孝之、高畑淳子、寺尾聰、イッセー尾形ら名だたる俳優陣が声優キャストに名を連ねている本作。ラジャーを生み出した少女アマンダ役の鈴木梨央と、アマンダの母リジーを演じた安藤サクラーー母娘役で初共演を果たした2人に、それぞれの役作りや作品の魅力について話を聞いた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

鈴木梨央と安藤サクラにとっての“イマジナリの世界”

ーーお二人とも本作への出演には並々ならぬ想いがあったそうですね。

鈴木梨央(以下、鈴木):台本を読んだときにアマンダの気持ちや思いが、私に共感する部分もあってすごく魅力的な役だと思いました。アマンダを演じる上で、アマンダの優しいだけじゃない繊細な部分も含め、とても考えて臨みました。

ーースタジオポノックとは『カニーニとカニーノ』(『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』)に続いて2度目のタッグとなりますね。

鈴木:『カニーニとカニーノ』のときはサワガニの役で、言葉のセリフがなかったので、今回初めて普通のセリフを言わせていただきました(笑)。

安藤サクラ(以下、安藤):私もお話をいただいたときに、すごくやりたいなと思って楽しみにしていたんですけど、お話をいただいてからアフレコまでの時間が長くて……(笑)。「あれ? 本当にあるのかな?」という気持ちになってきた頃に進み出してくれたので安心しました。

安藤サクラ

ーーコロナ禍も重なって公開延期という困難にも見舞われました。安藤さんはこの作品のどういうところに惹かれたんですか?

安藤:お話をいただいたときのことはよく覚えていて。当時、自分自身も想像力と戦っている時期だったので、すごい出会いだなと感じたんですよね。自分にとって、“イマジナリの世界”というのはすごく当たり前だったから、逆に周りの大人にとっては当たり前ではないということを知って、すごくショックを受けてしまって。アフレコをするまでの時間にそういうことを考えていたら、自分の日常にあったイマジナリの世界が消えてしまったんです。

ーーそうなんですか?

安藤:意識してしまったからなのか、常日頃から自分の中で動いていたイマジナリの世界が全然動かなくなってしまったんですよね。それは別に悪いことではなく、ようやく大人になったということなのかなと思うんですけど。

鈴木梨央

ーー鈴木さんはそういうイマジナリの世界を経験したことはありますか?

鈴木:小さい頃からドラマを観ることが大好きで、自分で画用紙に似顔絵を描いてそれを壁に貼って、そのドラマのシーンをひとりで再現していたんです。その遊びこそが自分にとっての想像力の源で、その時に感じていたものが、イマジナリの世界だったのかもしれません。

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