『トクメイ!』橋本環奈演じる一円が1億円に泣く? 大金と架空の国をめぐるサスペンス

『トクメイ!』大金をめぐるサスペンス回

 警察署にはいろんな人が訪れる。警察関係者、事件の容疑者や被害を受けた人だけでなく、見学ツアーの子ども、拾得物の所有者まで、一言でいうとカオスである。『トクメイ!警視庁特別会計係』(カンテレ・フジテレビ系)第7話はいつになくシリアスで、さしずめ1億円をめぐるサスペンスのようだった。

 経費削減に頭を悩ませる一円(橋本環奈)は、官房長の榊山(福井晶一)から刑事のリストラを提案される。万町署の統廃合を阻止するため、円はこれまで以上に倹約を推進。中塚副署長(鶴見辰吾)の「イエス、ウィー・キャン!」のかけ声のもと「シン・予算削減案」をぶち上げる。一方、警視庁を揺るがす脅迫者Xについて新事実が判明。ほぼAIに頼りきりのリサーチで、脅迫されたのが小田切誠衆議院議員(堀川りょう)とつながりのある人々だったことがわかる。「本庁の化けダヌキ」と呼ばれる小田切は元警察官僚で、政界に影響力を持っていた。

 そんな矢先、所有者不明の大金が発見される。ハラン国籍のノッカー(小久保寿人)が拾ったカバンには1億円分の札束が入っており、引き取り期限が過ぎる間際には持ち主を名乗る人々が警察署に列をなした。さらにこのタイミングで、ノッカーがビルの階段の踊り場から何者かに突き落とされて怪我をしてしまう。単なる偶然か、はたまた何かわけがあるのか? 湯川(沢村一樹)たちはノッカーと話そうとするが、ハラン語の通訳は希少でもろもろの費用を含めて100万以上がかかる。頭を抱える円の前に、ノッカーの知り合いを名乗る女性・奈倉幸子(筒井真理子)が現れた。

 いつものゆるい雰囲気はどこへやら。ここからの展開はぐっとシリアスさが増して、本格ミステリーに変貌する。ノッカーが突然怒りだした理由、そして幸子との関係は? ここで答えを明かすことはしないので、ぜひ本編をご覧いただければと思うが、ポイントはハラン語が架空の国の言葉であることだ。筒井真理子は、政治への風刺を込めた台詞と取調室ドラマと見まがう迫真の演技で観る者を引き込んだ。

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