『ブギウギ』六郎役・黒崎煌代はとんでもない俳優になる “生きている”演技の只者じゃなさ

 高校生のときから「映画に関わって生きていきたい」と志し、2022年に開催された俳優オーディションを、「1年間の演技の勉強」という特典目当てに応募し、約5000人の中から選ばれて芸能界入りしたという黒崎。

「きれいな顔でもスタイルがめっちゃ良いわけでもない。自分にしかできないオリジナルをつくり、(俳優の世界の)隙間を見つけていきたい」(※)と語る、実に地に足のついた21歳だ。

『さよなら ほやマン』特報

 11月3日から、彼の長編映画デビュー作『さよなら ほやマン』が全国で公開されている。この作品で黒崎は、宮城県石巻の離島に生きる2人兄弟の弟・シゲルを演じている。作中で言明されてはいないが、知的障がいをもつ青年で、『ブギウギ』の六郎とも共通する部分がある。しかし、シゲルと六郎はまったくの別人で、なおかつ撮影時期が後になる『ブギウギ』の六郎役では、数カ月の違いにもかかわらず、さらに演技力が上がっているのがわかる。将来有望、そして末恐ろしい俳優だ。

 シゲルについて黒崎は、「障がいがある人っぽく演じるのだけは絶対にやめよう。なぜそういう動きになるのかを追求しよう」(※)と決意して臨み、六郎については「六郎はバカ、アホだと言われているが、バカだと思って演じるのは違うと考え(中略)ただピュアなんだと考えるようにした。自分もピュアだとよく言われるし、好奇心の強さも演技に生かした」(※)のだという。わずか1年のキャリアにして、演技プランもしっかりとしたものだ。

 六郎と同じようにシゲルとしての黒崎も、登場ファーストシーンから、「その土地、その時代、本当にそこに生きている、実際に『在る』青年にしか見えない」という、強烈なインパクトを残している。『ブギウギ』とあわせて、ぜひ『さよなら ほやマン』もチェックされたし。

参照

※ https://www.kobe-np.co.jp/news/sanda/202310/0016975631.shtml

■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
脚本:足立紳、櫻井剛
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー:橋爪國臣
演出:福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
写真提供=NHK

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