『マイハル』道枝駿佑のストレートな言葉が響く 繰り返し観たくなる胸キュンシーンの数々
あなたは、もう止められないほどに誰かを好きだと思った勢いをそのまま、半年以上保ち続けたことはありますか?
『マイ・セカンド・アオハル』(TBS系)の主人公・佐弥子(広瀬アリス)は、10歳も年下の拓(道枝駿佑)との不意のキスから揺れ動いた気持ちをなんとか整理しようともがいていた。でも、半年も溢れ出る思いが止まらなかったらそれはもう、本物の恋である。キスはきっかけのひとつにしかすぎない。だって、佐弥子はそれまでにも拓に心をときめかせてしまう場面に何度も直面している。
拓の言葉には力がある。そもそも佐弥子が一念発起して「大学に入ろう!」と決意したきっかけとなったのが拓の「なればいいじゃん、大学生」という言葉だった。それに続けて発した「このまま一生、消化試合のような人生送るつもり?」の一言にもパンチがある。周りに適応し、いろいろ理由をつけた上で道を狭め、「これしかない!」と足元にある一本道を猪突猛進してしまうような佐弥子。自分にはない視点からの拓の言葉に彼女はいつもハッとさせられている。物事に対して鋭い視線を持っている拓は、クールでミステリアスではあるが、決して捻くれているわけではない。むしろ何事にも真面目でだからこそ、本質を捉えたことが言えるのだ。自分にはない考え方で、世界を変えてくれる。そんな経験を一度でもしたら、心を掴まれてしまうのは仕方のないことではないだろうか。
そうして「すごい人だな」と尊敬の気持ちさえ持っていた人が、ちょっと子供っぽい姿を見せ、急に距離を詰めてきたら……? そのギャップにキュンとなってしまうのはやっぱり仕方のないことだと思う。拓はシェアハウス「サグラダファミリ家」で再会した直後、みんなの前では1年前に会ったことなど忘れたかのような態度をとっていたにもかかわらず、2人きりになった途端、お互いにしか分からないあの日のじゃんけん遊びを思い出させる行動を取り、「本当に大学生になったんだね」「忘れると思う?」と笑ってみせた。これには佐弥子も「キュンとさせるんじゃないよ〜」と胸を押さえた。今思うと、もうこのときから恋は始まっていたのかもしれない。
その後、佐弥子に恋愛相談のような個人的なことも話すようになった拓。仲良くなれば少し扱いが雑になってしまうこともあるだろうが、拓はいつでも礼儀と優しさを忘れない。キイナ(伊原六花)の誕生日プレゼント選びを佐弥子に手伝ってもらった拓は、その途中で佐弥子が気に入ったらしいストラップを「お礼」として買っていた。キイナにはぬいぐるみを渡そうとする“小4センス”を発揮するくせに、そういうところには気を利かせるし、優しさを見せるのがとてもずるい。少したどたどしく、素のような様子の「ありがとね」という言葉とともに渡されると、かしこまったデートとは違って、お互いに下手に気張らずにいられたあの時間がとても貴重なものに思えてくることだろう。佐弥子はそのストラップを大事に使っていた。