『フェルマーの料理』第5話は重要なターニングポイントに? 原作改変した物語展開にも注目

 人間性に問題がありそうな雰囲気を醸しつつも、料理の腕で周りを巻き込むカリスマ性はピカイチ。だからこそ、海に認めてもらいたい料理人が続出するのだとばかり思っていたが、蘭菜が“海を認めさせたい理由”の根底は、どんな感情に宿っているのだろうか。さらには、夜な夜な海が足を運んでいる怪しすぎる会合の目的も未だ謎のまま。海が本心では何を考えているのかは、誰にもわからない。

 
 ドラマ『フェルマーの料理』は、現段階では海という人物のバックグラウンドや他の料理人たちとの繋がりよりも、あくまで岳を中心とした関係性を描いてきた。しかしここからの展開は、岳の物語としてだけでなく、レストランKの物語としても視点が広がっていく予感。2024年の岳が闇堕ちしている様子を見ると、レストランKでの出会いが、料理人たちの人生に良くも悪くも影響を与えていることが伺えるだろう。

 何人もの料理人の人生を狂わせてしまう海の存在の凄まじさは、もはや恐ろしくもある。物語が一段と大きく動くきっかけとしても、今回の蘭菜と海の衝突は、この第5話がドラマ版『フェルマーの料理』の重要なターニングポイントになるのではないだろうか。

 人間の感情というものは複雑なもので、時に憧れと嫉妬が結びついていたり、好きと嫌いが紙一重だったりすることもある。海という得体の知れないカリスマ料理人と接点を持ってしまった登場人物たちは、それぞれの複雑な感情を抱きながら、レストランKの厨房に立ち続けている。それぞれのバックボーンに隠された“闘志を燃やす原動力”が何かという点も、今後の見どころになっていくだろう。

 
 「レストランK」、その名のもとに集う人々は、極上の料理を求めるプロフェッショナルである。繊細な料理の一皿に込められた隠し味は、苦悩の地獄だ。レストランKの全貌を知るための大きな手がかりは、蘭菜の心の中にあるのかもしれない。

■放送情報
金曜ドラマ『フェルマーの料理』
TBS系にて、毎週金曜22:00〜22:54放送
U-NEXTにて、各話の初回放送直後配信
Netflixにて配信中
出演:高橋文哉、志尊淳、小芝風花、板垣李光人、白石聖、細田善彦、久保田紗友、及川光博、宮澤エマ、細田佳央太、宇梶剛士、高橋光臣、仲村トオル
原作:小林有吾『フェルマーの料理』(講談社『月刊少年マガジン』連載)
脚本:渡辺雄介、三浦希紗
プロデューサー:中西真央
演出:石井康晴、平野俊一、大内舞子
©TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/fermat_tbs2023/
公式X(旧Twitter):@Fermat_tbs
公式Instagram:fermat_tbs
公式TikTok:@fermat_tbs

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