朝ドラ『ブギウギ』“大阪編”を締めくくる怒涛の展開 趣里たちによる圧巻の「桜咲く国」
スズ子は礼子を失ったことで、彼女への尊敬と感謝の念が溢れ出ていた。そのことに気づいた、という方が正しいのかもしれない。まだ研究生だった頃に、稽古場で礼子からかけられた「あなた、どうして踊るの?」という問いかけ。礼子のような観るものを釘づけにするスターに、そして「お客さんを励まして、お客さんに励まされながら、もっともっと今よりももっと歌って踊ることが楽しゅうなりたい」というのが、スズ子が東京に行く理由、踊ることの意味だ。
晴れやかな笑みで東京に送り出そうとするツヤと涙でクシャクシャのスズ子。「つらなったらすぐ戻ってくるんやで。我慢したらあかん。すぐ帰れる場所があるいうことを忘れたあかんで」とツヤはスズ子の手を握り、やがて梅吉と六郎(黒崎煌代)も混ざって、ギュウギュウになって抱き合う4人。そこには、血縁関係を超えた“ほんまの家族”があった。
「大阪編」ラストを飾る秋山とスズ子をメインに据えた「桜咲く国」も素晴らしい。燕尾服を着た秋山と白いドレスのスズ子らが持つのは桜色のパラソル。「桜咲く国」は本作のモデルとなっているOSKで今も歌い継がれる定番曲で、言うまでもなく2人の卒業に桜が咲くというメッセージが込められた華々しいステージだ。
次週からは新天地・東京での物語がスタートする。そこで待ち受けていたのは、スズ子の運命の鍵を握る作曲家・羽鳥善一(草彅剛)との出会いだった。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:趣里、水上恒司、草彅剛、c、菊地凛子、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
脚本:足立紳、櫻井剛
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー:橋爪國臣
演出:福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
写真提供=NHK