『君となら恋をしてみても』大倉空人×日向亘のフレッシュな演技が光る 若手製作陣にも注目

 演出には、2015年にゆうばり国際ファンタスティック映画祭フォアキャスト部門に「真夏の夢」が正式出品され、2021年に『明け方の若者たち』を監督した松本花奈が担当している。松本は本作について「五感全部を感じて楽しんで頂けるような作品にしたい」と語っており、本作を観ていてもその言葉の意味がよく感じられる。(※)

 特に龍司と天のシーンの余韻を感じられるカットや、2人の手の距離感や触れ合い方、甘酸っぱいドキドキやホッとする温かさ、江の島の情景描写の豊かさ。これらはすべて龍司と天の感情に寄り添っており、それに伴う距離感や空気感が松本独自の切り取り方で撮影されているのだ。

 そして脚本は、2022年度に第47回創作テレビドラマ大賞を受賞したばかりの森野マッシュが担当。創作テレビドラマ大賞を受賞した『ケの日のケケケ』では、感覚過敏を抱える女子高校生が、部活動への入部を強制する高校に対して立ち向かっていく姿が描かれていた。同時に、家族との関係の変化や、個性豊かな登場人物たちが抱えている切実な問題、また日常に溢れる幸せ、辛さを丹念に描いているのが印象的だった。本作で描かれている龍司や天を取り巻く環境や背景を描く上でも、共通している部分があるように思える。

 
 江の島という舞台を最大限に活かしつつ、フレッシュで清涼感のある演技がされ、登場人物たちの繊細さや優しさが丁寧に描かれているからこそ、龍司と天を温かく包み込むような作品になったのだろう。

参照

※ https://narakoi-dorama.com/

■放送情報
ドラマ『君となら恋をしてみても』
MBSにて、毎週木曜24:59~放送
テレビ神奈川にて、毎週木曜23:30~放送
チバテレビにてにて、毎週金曜23:00~放送
テレビ埼玉にて、毎週木曜23:30~放送
とちぎテレビにて、毎週木曜22:30~放送
群馬テレビにて、毎週木曜23:30~放送
TVer、MBS動画イズムにて、MBS放送後に配信スタート
出演:日向亘、大倉空人(原因は自分にある。)ほか
原作:窪田マル『君となら恋をしてみても』(白泉社「マンガPark」連載)
監督:松本花奈
脚本:森野マッシュ
©︎2023 窪田マル・白泉社/ドラマ「君となら恋をしてみても」製作委員会・MBS
公式サイト:https://narakoi-dorama.com
公式X(旧Twitter):@narakoi_dorama
公式Instagram:@narakoi_dorama

関連記事