朝ドラ『ブギウギ』“つかみ”の大役を果たした澤井梨丘に拍手! 趣里がついに本格登場へ

 梅丸少女歌劇団(USK)初の単独公演、本格レビューショー「四季の宴」がいよいよ幕を開ける。『ブギウギ』(NHK総合)第10話では、鈴子(澤井梨丘)、白川(小南希良梨)、桜庭(木村湖音)の3人が研究生を経て、めでたくステージデビュー。つまりは梅丸への正式入団を決める。

 芸名はそれぞれ、福来スズ子、リリー白川、桜庭和希。福来はツヤ(水川あさみ)発案の「笑う門には福来る」から。「男に生まれとったら和希いう名前がよかってん」という桜庭の芸名は、言うまでもなく『ブギウギ』で橘アオイを演じ、OSK日本歌劇団で実際に男役を務めているトップスター翼和希から取ったものだろう。

 映画の幕あい上演ではなく、念願の単独公演ということで、いつもの「強く! 逞しく! 泥臭く! そして、艶やかに〜!」の掛け声も一段と大きい。「四季の宴」でスズ子、リリー、和希が演じるのは、水の滴。観にきた梅吉(柳葉敏郎)が「どこだ?」と思わず探してしまうくらいに、それはすぐには登場しないキャラで、傍から見れば脇役である。

 しかし、3人にとってはこの1カ月、仲間たちと切磋琢磨して、勝ち取った記念すべきステージデビュー。滴の舞を披露するスズ子たちのキラキラとした初々しさ、一生懸命さが、“滴”という役をある種引き立てていたように感じられる。会場に鳴り響く拍手は、彼女たち3人に贈られたものであり、「一つの舞台は全員で作る」という橘が言っていたその一部としてショーを作り上げた瞬間だ。

 眩しいほどの笑顔を浮かべるスズ子。紅を持つ手がプルプルと震えていた本番前が嘘のように、彼女の表情には達成感が溢れている。「あなた、どうして踊るの?」という大和礼子(蒼井優)からの問いに、スズ子はいまだ答えを出せていない。

 礼子が話していた、現実を忘れに劇場に来る観客もいれば、現実に立ち向かう生きる力をもらいに来る人もいる。答えは一つじゃない。礼子の言葉はスズ子にとっての、レビューガールとしての指針になりながら、その答えを見つけていくことが、今後のストーリーにおける一つのポイントになっていくのだろう。

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