ファン・ジョンミン&ヒョンビンが語る過酷な撮影の裏側 『極限境界線』メイキング公開
10月20日に公開される韓国映画『極限境界線 救出までの18日間』のメイキング映像が公開された。
本作は、2007年にタリバンによって実際に起き、大きな国際問題となった韓国人23名の拉致事件を描いた人間ドラマ。タリバンは、人質と引き換えに、現在刑務所に収監されているタリバンの囚人たちの解放を要求し、それが叶わない場合は、人質を全員処刑すると声明を出す。与えられた猶予は24時間。韓国外務省の外交官、チョン・ジェホ(ファン・ジョンミン)は人質を救出するべく、アフガニスタンの首都カブールに飛び、そこで出会った現地の国家情報院の工作員、パク・デシク(ヒョンビン)と共に、人質奪還のための救出作戦を練る。しかし、アフガニスタン政府の協力は見込めず、情報も錯綜し、刻一刻とタイムリミットが迫る。果たして彼らは、人質の命を救うことができるのか。
『哭声/コクソン』『ただ悪より救いたまえ』のファン・ジョンミンが演じるのは、人質救出の交渉役として派遣された厳格なエリート外交官のチョン・ジェホ。人命を救うためには手段を選ばない現地の工作員のパク・デシクを演じたのは、『愛の不時着』のヒョンビン。そして、現地の通訳カシムには、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」のカン・ギヨンが扮している。監督を務めたのは、『提報者 ~ES細胞捏造事件~』のイム・スルレ。
公開されたメイキング映像には、ファン・ジョンミン、ヒョンビン、カン・ギヨンらキャストと監督・スタッフの貴重なインタビューも含まれている。韓国映画としては初めて約2カ月に及ぶヨルダンでの大規模撮影を敢行したイム・スルレ監督は、「韓国で母国語を使って撮影するより4~5倍困難な条件がそろっていた」と撮影を振り返った。ファン・ジョンミンは「極限の状況に立ち向かった人々の話。そこにすごく惹かれました」と作品の魅力について語る。イム・スルレ監督は「人質救出交渉を緊張感もって描けるかにかかっていました」とこだわりを語り、劇中全体シーンの約80%以上を占めているアフガニスタンのシーンを作り上げるために一番雰囲気が似ているヨルダンをロケ地に選び、韓国映画としては初めてヨルダン大規模撮影に臨んだ。
しかしコロナ禍で入国許可も困難を極め、さらに撮影地の気温は40度を超えた。「一番つらかったのは砂漠の暑さです。それに韓国で母国語を使って撮影するより4~5倍困難な条件がそろっていた」とイム・スルレ監督は振り返る。映像では砂漠で移動すら苦労する様子や、砂嵐にスタッフが翻弄される姿も切り取られている。それでも「ヨルダンで撮影した確かな理由がこの映画にはある」とファン・ジョンミン。カン・ギヨンは「CGではどうしても表現できない壮大で素晴らしいロケ地だった」、ヒョンビンも「異国的な風景も観客の皆さんに楽しんで頂ける見どころの一つ」とロケーションをそれぞれ絶賛した。
撮影現場の映像では、ファン・ジョンミンが劇中、現地のテロに巻き込まれ、身体ごと吹っ飛ぶ場面も。爆発で顔を真っ黒にしたままモニターを真剣にのぞき込む場面や外交官としての英語のセリフに苦労する様子もあり、その様子を見ていたヒョンビンは「(ファン・ジョンミンが)一つひとつのシーンをきっちりと丁寧に作り上げていく姿勢に驚きました」と感銘を受けたことを明かす。
ヒョンビン自身も「デシクは過去に自分の目の前で人質が殺された経験があり、その時何もできなかったことがトラウマになっている。それで今回の交渉作戦を誰よりも切実に感じているんです」と役の解釈を語った。
さらにパシュトー語の通訳カシムを演じたカン・ギヨンは「パシュトー語のセリフを全て覚えていた」と監督を驚かせた。ハリウッドからアフガン人俳優を呼び寄せるなど国際色豊かな現場では、ファン・ジョンミンやヒョンビンが率先して撮影を盛り上げる様子などが垣間見られ、イム・スルレ監督も「共に作品を作り上げようとするエネルギーがあり、本当に助けられた」と感謝を表した。
■公開情報
『極限境界線 救出までの18日間』
10月20日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国ロードショー
監督:イム・スルレ
出演:ファン・ジョンミン、ヒョンビン、カン・ギヨン
配給:ギャガ
英題:The Point Men/109分/韓国/カラー/シネスコ/5.1CHデジタル/字幕翻訳:根本理恵/PG12
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