『呪術廻戦』“五条悟爆誕”によって崩れた世界の均衡の意味を考える

 「蛆のように呪霊が湧いた」と夏油が語った2007年の夏とは、五条悟が“最強”になった1年後のことである。確かに2007年3月25日には能登半島地震が、7月16日には新潟県中越沖地震が発生している。しかし、それ以上に“この世界の均衡が崩れた出来事”と言えるのは、星漿体の暗殺、そして五条悟が現代最強の術師になったことだ。彼がレベルアップしたことで、呪霊がより活発化していたのだとしたら。そのせいで呪術師不足が深刻化し、高専1年の灰原雄と七海建人や夏油の任務に影響を与えていたのだとしたらと考えると、何ともやるせない。

 粟坂たち呪詛師が“自由”を奪われたあの日から、五条だけはただ一人自身の“自由”を突き進んでいた。だからこそ彼らは今回の「五条悟・封印」に手を貸したのである。オガミ婆は“孫”と呼ぶ若い男と参加していたが、彼は彼女の本当の孫ではない。幼い頃に攫って血縁を偽り、大きくなるまで育てた。そういう“孫”がいっぱいいるのだ。彼女は甚爾の骨を“孫”に飲ませ、降霊術を成功させた。甚爾の姿になった“孫”に、蹂躙される猪野。パワーバランスが圧倒的に不利なだけに、本当にかわいそうとしか言いようがない。

 彼の安否が危ぶまれる中、粟坂との戦いに勝利した虎杖と伏黒。それはつまり、呪術師を通さない帳が解除されることを意味し、待機組……七海建人らがこれから魑魅魍魎渦巻く渋谷の中心地に足を踏み入れる。

■放送情報
『呪術廻戦』第2期
MBS/TBS系にて、毎週木曜23:56~放送
キャスト:榎木淳弥、内田雄馬、瀬戸麻沙美、中村悠一、島﨑信長、櫻井孝宏、諏訪部順一原作:『呪術廻戦』芥見下々(集英社『週刊少年ジャンプ』連載)
監督:御所園翔太
シリーズ構成・脚本:瀬古浩司
キャラクターデザイン:平松禎史、小磯沙矢香
副監督:愛敬亮太
美術監督:東潤一
色彩設計:松島英子
CGIプロデューサー:淡輪雄介
3DCGディレクター:石川大輔(モンスターズエッグ)
撮影監督:伊藤哲平
編集:柳圭介
音楽:照井順政
音響監督:えびなやすのり
音響制作:dugout
制作:MAPPA
「渋谷事変」オープニングテーマ:King Gnu「SPECIALZ」(Sony Music Labels)
「渋谷事変」エンディングテーマ:羊文学「more than words」(F.C.L.S.)
©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
公式サイト:https://jujutsukaisen.jp

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