ドラマ『パリピ孔明』が絶好調! 今こそ観てほしいアニメ版の見どころを解説

  一方でアニメ版は、原作が忠実に再現された上で、ライブシーンのポテンシャルを上手く引き出しているのが特徴だ。まず、前提として音楽を題材にした原作のアニメ化は多くの困難が伴う。原作では個々人の解釈によってライブシーンを補完する必要があったが、アニメでは原作に描かれていない音の描写まで鮮明に描かなければならない。その点でアニメ『パリピ孔明』はひとつの成功例と言えよう。その背景にあるのが演技と歌唱のキャスティングを明確に分けたというところだ。例えば、英子の普段の会話シーンで演じるのは『魔女の旅々』イレイナ役や『ゾンビランドサガ』源さくら役でも知られる本渡楓、歌唱シーンではニコニコ動画の「歌ってみた」で活躍している歌い手の96猫を起用するほか、AZALEAの久遠七海も山村響が普段の会話を担当し、歌唱シーンでは歌い手のLezelが務めた。それぞれに適役を配置したことで生まれるギャップはアニメでしか味わえない感動だ。

『パリピ孔明』大成功の理由は2人の英子にあり 本渡楓×96猫と重なる夢を追う姿

2022年春アニメ録画ランキングで2位にランキングするなど、大きな注目を集めているアニメ『パリピ孔明』(※1)。原作は『週刊ヤン…

 これは決して珍しいケースではなく、近年のアニメ作品では多く見られる。2011年に放送されたアニメ『ギルティクラウン』では楪いのりのCVを茅野愛衣、歌唱シーンをEGOISTのボーカリストであるchelly、最近で言えば『ONE PIECE FILM RED』でウタのCVを名塚佳織、歌唱シーンをAdoが務めたことも記憶に新しい。こうしたWキャストの最大の魅力は音楽アニメの魅力を最大化できるという利点がある。本作にも「Be Crazy For Me」や「Shooting Star」といった劇中歌が存在するが、第9話「たみくさのために」で英子が悩んでいる誰かを救うため、そして目の前にいる七海を救うためにスカイスクエアの屋上で決意を持って歌唱した「I’m still alive today」は96猫の表現力がストーリーに説得力を与えていた。

歌い手×音楽アニメは相性抜群! 『パリピ孔明』の大成功で証明された歌唱担当のニーズ

現在TOKYO MXほかにて放送中のTVアニメ『パリピ孔明』の劇中歌をはじめとした歌唱シーンが大きな話題を呼んでいる。本作は三国…

 ドラマ版のヒットによって再びアニメ版への注目が集まっている。両者の演出の違いを楽しみながら観てみると、新しい発見もあるかもしれない。ドラマを観終わった後は、ぜひアニメにも触れてみてほしい。

■配信情報
『パリピ孔明』
dアニメストア、U-NEXTほかにて配信中
キャスト:月見英子(CV.本渡楓/歌唱.96猫)、諸葛孔明(CV.置鮎龍太郎)、KABE太人(CV.千葉翔也)、久遠七海(CV.山村響)、オーナー小林(CV.福島潤)
原作:四葉夕卜・小川亮(講談社『ヤングマガジン』連載)
監督:本間修
シリーズ構成:米内山陽子
キャラクターデザイン:関口可奈味
プロップ設定:宮岡真弓、牧野博美
美術監督:東潤一
美術設定:藤井祐太
色彩設計:江口亜紗美
3D監督:市川元成
撮影監督:富田喜允
編集:高橋歩
特殊効果:村上正博
音響監督:飯田里樹
音楽:彦田元気(Hifumi,inc.)
音楽制作:エイベックス・ピクチャーズ
アニメーション制作:P.A.WORKS
製作:「パリピ孔明」製作委員会
©︎四葉夕卜・小川亮・講談社/「パリピ孔明」製作委員会
公式サイト:https:// paripikoumei-anime.com
公式X(旧Twitter):@paripikoumei_pr

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