『正欲』秘密を抱える夏月役・新垣結衣を岸善幸監督が絶賛 「本当に助けてもらいました」

 11月10日に公開される映画『正欲』より、新垣結衣の場面写真と岸善幸監督のコメントが到着した。

 本作は、2009年『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞、2013年『何者』で直木賞を受賞した朝井リョウが2021年3月に発表し、第34回柴田錬三郎賞を受賞した同名小説を映画化するラブストーリー。

 家庭環境、性的指向、容姿……。様々に異なった“選べない”背景を持つ人たちを同じ地平で描写しながら、人が生きていくための推進力になるのは何なのかというテーマを炙り出していく。

 新垣が本作で演じるのは、物語の鍵を握るメインキャラクターの一人である桐生夏月。夏月は、広島で実家暮らしをしながら、ショッピングモールで契約社員として働く代わり映えのしない日常を送る日々。しかし、胸の内には“ある秘密”を抱えており、自ら世間との断絶を望んでいる。やがて中学の同級生の佳道(磯村勇斗)と再会し、2人で秘密を共有することになるが……。

 新垣は、本作の映画化決定にあたり、「原作を読んで、何かを問われたような気持ちになりました」「考え続ける事、想像し続ける事をいつも以上に大切にしながら、制作に臨めたら」と意気込みを語っている。さらに「岸監督とは初めてご一緒しますが、初顔合わせから親身に役についての相談などを聞いてくださり、とても心強く、感謝しています」と入念な話し合いのもと役作りを進め、「撮影では、自分なりに、夏月達が生きる世界を必死に生きたいと思います」と夏月役への決意を明かしていた。

 本作でメガホンを取った岸監督は、夏月役について「親や世間には知られていない本来の自分との間で苦しんでいる。このギャップを表現するのがとても大事だと思いました。これまで演じた役柄が、夏月とは対極のイメージを持たれている人に演じてもらいたかったんです」と、俳優の起用に並々ならぬ思いを持っていたという。その上で、「新垣結衣さんは、夏月役を考えたときに真っ先に名前が浮かびました」とキャスティングの経緯について語り、「とても難しい役柄ですが、脚本づくりの段階でも何度か話し合って、全体にも俯瞰の意見をもらいました。役柄の背景とか、感情のピークとか、すごく大切にされている方で、本当に助けてもらいました」と、新垣の声が役柄にも反映されていることを明かしている。

 公開された場面写真では、テーブルに肘をつき遠くを見つめる新垣の姿が切り取られている。

稲垣吾郎×新垣結衣『正欲』60秒予告

■公開情報
『正欲』
11月10日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
出演:稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗、佐藤寛太、東野絢香、山田真歩、宇野祥平、渡辺大知、徳永えり、岩瀬亮、坂東希、山本浩司
原作:朝井リョウ『正欲』(新潮文庫刊)
監督:岸善幸
脚本:港岳彦
音楽:岩代太郎
主題歌:Vaundy「呼吸のように」(SDR)
制作プロダクション:テレビマンユニオン
作:murmur
製作:「正欲」製作委員会
配給:ビターズ・エンド
2023/日本/カラー/DCP/5.1ch/ヴィスタ/134分/映倫G
©︎2021 朝井リョウ/新潮社 ©︎ 2023「正欲」製作委員会
公式サイト:bitters.co.jp/seiyoku/
公式X(旧Twitter):@seiyoku_movie
公式Instagram:@seiyoku_movie

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