『アントニオ猪木をさがして』は日々を生きる“私たち”の映画だ! 希望を生み出す闘魂魂

 今作は「我々にとってアントニオ猪木とはどのような存在だったのか?」ということを問いかける。それを表す一つが再現ドラマパートだ。アントニオ猪木が残してくれた多くの名言や勇姿によってどれだけの人々が勇気づけられ、奮い立たせられてきたのかが短編映画として映し出される。作中数度挿入されるドラマパートの主人公はまさに私たちだ。様々な世代の私たちの物語を語りかけてくれる。

 冒頭で書いた私が考えていた言葉「闘魂」の意味は「希望」なのではないかと現時点で感じている。アントニオ猪木が、プロレスラーとしても、政治家としても強烈な個性を持って戦い、常に誰かに希望を与えていたのだということを再認識させられた。

 また、良い意味でリズムが早すぎないので、映画を観ながら考察する隙間がある。アントニオ猪木の言葉や行動を聞いて、観て、自分の中で考えることができる。そうしていると、また新たな証言などにより意味をより深く考えることができる。それはプロレスファンが「あの事件の裏側にはこんな真相があったのではないか?」「こんな噂がある!」など常に考察することに繋がるように感じる。まさにこの映画はプロレスなのだ。是非今作を観て「馬鹿」になってほしい。

■公開情報
『アントニオ猪木をさがして』
全国公開中
出演:アントニオ猪木、有田哲平、海野翔太、オカダ・カズチカ、神田伯山、棚橋弘至、藤波辰爾、藤原喜明、安田顕、田口隆祐、後藤洋央紀
ナレーション:福山雅治
主題歌:「炎のファイター〜Carry on the fighting spirit〜」(福山雅治)
監督:和田圭介、三原光尋
写真:原悦生
制作:パイプライン、スタジオブルー
配給:ギャガ
製作:「アントニオ猪木をさがして」製作委員会 
©2023「アントニオ猪木をさがして」製作委員会
公式サイト:https://gaga.ne.jp/inoki-movie/
公式X(旧Twitter):@inoki_movie 

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