『アクアマン/失われた王国』は不安を吹き飛ばす快作になる予感 異父弟とバディ結成?

 さて、ブラックマンタのスーツは、前作ではモビルスーツみたいでしたが、今回はよりスリムになりました。しかし、目からの破壊光線はパワーアップ。一方、アクアマンも弟を脱獄(?)させる際、黒いステルススーツを着ていることがわかります。このアクアマンとオームのバディ関係は、MCUのソー&ロキにちょっと似ていますね。

 今回は、ブラックマンタがブラック・トライデントを手にすることで力を得ます。そのブラック・トライデントが“失われた王国”に由来する。それがタイトルに反映されたわけですね。ブラック・トライデントを持つブラックマンタの目が緑色になったりと、彼が邪悪な力に憑依されたことがわかります。そして、ブラック・トライデントの持ち主である闇の王っぽいキャラが出てきますが。これはコミックに登場するデッド・キング、日本の翻訳本『アクアマン:王の最期』(小学館集英社プロダクション)で「幽王」と訳されているキャラかもしれません。コミックでは、彼のせいでアトランティスは海底に沈んだのです。「アクアマン&オーム」VS「ブラックマンタ&幽王」となるのでしょうか?

サンディエゴ・コミコン2023に展示されていたアクアマンのコスチューム(筆者撮影)

 とにかく映画『アクアマン』の面白さは、ファンタスティックな海底王国で繰り広げられる怪獣、怪人、メカが入り乱れてのバトルにあります。『リトル・マーメイド』の世界で『スター・ウォーズ』をしているようなものです。

 その楽しさやアクアマンならではの豪快さは健在ですね。それにしても『ワイルド・スピード/ファイヤー・ブースト』で主人公に復讐するためその家族を狙うというヴィランを演じているジェイソン・モモアが、この映画では全く同じことを自分がされる立場にいる、という偶然も面白いですね。

 個人的に「おおお!」となったのは2分24秒目あたりの巨大なタツノオトシゴみたいなクリチャーに乗ってアクアマンが現れるシーン。昔のアニメやコミックでアクアマンがタツノオトシゴを馬のように乗りこなしている、という描写が多かったので「ついに来た!」と思いました。ちょっと心配していた『アクアマン/失われた王国』。今は楽しみでしかないです!

■公開情報
『アクアマン/失われた王国』
2024年1月全国ロードショー
監督:ジェームズ・ワン
出演:ジェイソン・モモア、パトリック・ウィルソン、アンバー・ハード、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世、ニコール・キッドマン、ドルフ・ラングレン、ランドール・パーク
配給:ワーナー・ブラザース映画
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