ロバート・ロドリゲス監督がヒッチコック愛を語る 新作『ドミノ』にも大きな影響が?

 10月27日に公開されるベン・アフレック主演映画『ドミノ』で監督を務めたロバート・ロドリゲスが、アルフレッド・ヒッチコックについて語ったコメントが公開された。

 本作は、娘を探す刑事と、その鍵を握る“絶対に捕まらない男”の戦いを描いたアンリアル・エンターテインメント。『シン・シティ』シリーズ、『マチェーテ』シリーズなどを手がけてきたロドリゲス監督は、本作の構想に20年もの歳月を費やしたという。主演のアフレックのほか、『アイ・アム・レジェンド』のアリシー・ブラガ、『アルマゲドン』のウィリアム・フィクナーらが共演に名を連ねた。

 本作を手がけたロドリゲス監督は、2002年に4Kリマスター版で再公開されたヒッチコックの『めまい』を観たことで本作の脚本を書き始めたそうで、「名監督である彼の大ファンだ。ひねりの利いたスリラー作品を自分でも作りたくなった。映画製作を初めて意識した瞬間だ」と『ドミノ』の製作を振り返る。

 ロドリゲス監督は、ヒッチコックが生み出した傑作にはワンワードのタイトルが多いことから、本作のタイトルを『Hypnotic(原題)』に決めたという。「『めまい』『白い恐怖』『サイコ』…ヒッチコックがつけそうなタイトルはどんなものか。その時“催眠術”(ヒプノティック)が思い浮かんだ。すぐに物語の軸も思いついた」。 さらに「物語の軸は目の前にいるのに存在を感じさせない悪役だ。欲しいものを何でも奪って立ち去っていく。究極の力を持つ者だ。脚本を練り上げ多くの仕掛けを仕込んだ。観客には何が現実か分からないのが面白い。さらに面白いのは『間違えられた男』のような物語ということだ」と、存在そのものが謎めいているキャラクターたちについて語り、「追われ、追いつめられる、謎だらけの世界を観客に見せられる」と謎が謎を呼ぶドミノのような展開は、ヒッチコックの作品からインスパイアされていると明かした。

 また、ロドリゲス監督は、主演のアフレックの起用にもヒッチコックへのオマージュが込められているとし、「ヒッチコック映画の要は配役だ。ケイリー・グラントやジェームズ・スチュワート、グレイス・ケリーにイングリッド・バーグマン……、だからスーパースターを配役したかった。ベン・アフレックはヒッチコック的な神秘性を与えてくれた。娘を捜す父親であり容赦ない刑事でもある。彼のスター性と存在感によって、ヒッチコック映画を撮っている気分になった」と語った。

■公開情報
『ドミノ』
10月27日(金)より、全国ロードショー
監督:ロバート・ロドリゲス
出演:ベン・アフレックほか
提供・配給:ギャガ、ワーナー・ブラザース映画 
原題:Hypnotic/94分/アメリカ映画/英語/カラー/シネスコ/5・1chデジタル/字幕翻訳:松浦美奈/G
©2023 Hypnotic Film Holdings LLC. All Rights Reserved. 
公式サイト:gaga.ne.jp/domino_movie
公式X(旧Twitter):@domino1027

『ヒッチコックの映画術』
9月29日(金)より、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMA、角川シネマ有楽町ほか全国公開
監督:マーク・カズンズ
配給:シンカ
2022年/イギリス/英語/120分/カラー/1:1.78/5.1ch/原題: My Name Is Alfred Hitchcock/字幕翻訳: 小森亜貴子
©Hitchcock Ltd 2022
公式サイト:https://synca.jp/hitchcock
公式X(旧Twitter):@SYNCACreations
公式Instagram:@synca_creations

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