『VIVANT』ロスからまだまだ抜け出せない! 革新的だった3つのポイント

あえて日曜劇場では“お馴染み”の俳優陣のキャスティング

 本作に堺雅人と阿部寛という、実力もさることながら日曜劇場にとっては“お馴染み”とも言えるふたりを主演と重要人物にキャスティングしたことも注目すべきポイントではないだろうか。堺と日曜劇場といえば、『半沢直樹』シリーズ、阿部は『ドラゴン桜』シリーズや『下町ロケット』というイメージがある。

 たとえば乃木がテントから仕事を任され始め、テントが運営する孤児院のひとつで院長の横領をつきとめた時や、テロではなく、株の信用取引によって多額の資金調達を可能にした時に過去のイメージから「半沢っぽさ」を感じた人は多かったはずだ。その一方で、乃木は別人格のFになると容赦ない冷たさを見せたし、柚木を前にすると、生い立ちゆえ恋も愛もよく分からないまま、突き動かされてしまう初々しさを見せた。

 これらは堺の演技力がなせる技なのだが、半沢をイメージすればするほど「キャラクターが想像と違う!」とこちらの期待がいい意味でどんどん裏切られるのだ。それがより「続きが見たい」という気持ちが膨らんでいくことに繋がったのではないだろうか。

 最終回では、続編があることも予感させる終わり方となった本作。乃木の今後はもちろんだが、華麗な「スパイもの」が好みの筆者としては、別班として過去、黒須(松坂桃李)と行ったという作戦がどんなものだったのかも気になっている。まだまだ『VIVANT』沼は終わりが見えなさそうだ。

■配信情報
日曜劇場『VIVANT』
TVer、U-NEXTにて配信中
出演:堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、竜星涼、迫田孝也、飯沼愛、山中崇、河内大和、馬場徹、Barslkhagva Batbold、Tsaschikher Khatanzorig、Nandin-Erdene Khongorzul、渡辺邦斗、古屋呂敏、内野謙太、富栄ドラム、林原めぐみ(声の出演)、二宮和也、櫻井海音、Martin Starr、Erkhembayar Ganbold、真凛、水谷果穂、井上順、林遣都、高梨臨、林泰文、吉原光夫、内村遥、井上肇、市川猿弥、市川笑三郎、平山祐介、珠城りょう、西山潤、檀れい、濱田岳、坂東彌十郎、橋本さとし、小日向文世、キムラ緑子、松坂桃李、役所広司
プロデューサー:飯田和孝、大形美佑葵、橋爪佳織
原作・演出:福澤克雄
演出:宮崎陽平、加藤亜季子
脚本:八津弘幸、李正美、宮本勇人、山本奈奈
音楽:千住明
製作著作:TBS
©︎TBS

■リリース情報
『VIVANT』
12月27日(水)Blu-ray&DVD-BOX発売
製作著作・発売元:TBS
発売協力:TBSグロウディア
販売元:TCエンタテインメント

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