『らんまん』大喜&百喜が継いだ万太郎の美点 木村風太と松岡広大が物語のアクセントに
万太郎の話を聞いて、精神の面から「『国民は国を愛せ』と言うけれど、国への愛ってもっと身近な故郷への愛着から生まれると思う」と自分の考えを語ったのは長男の百喜(松岡広大)。百喜は、父の万太郎が神社合祀による森林伐採に反対しているのにも理解を示し、「(大学を)どうぞお辞めください」と勧めた。それに加えて、百喜は自分が役所勤めを選んだのは「こういう時のため」と明かした。「うちに何かあっても俺が手堅く稼げばいい」と。万太郎のように賢く、寿恵子のようにしっかりとしている百喜。とても頼もしい長男である。
百喜を演じる松岡広大はデビュー当初から、ドラマや映画だけではなく舞台、モデル活動などジャンルを問わず、さまざまな分野で活躍をしてきた。そして本作が満を持しての朝ドラ初出演となっている。大喜や千歳が話すとき、相手の方をジロリと見ている百喜は少し憂いや陰の要素を感じさせるが、それは自由奔放な父への反発から生まれた性格ではなく、物事を見極めようとする父の性格を色濃く受け継いだものと言えるだろう。男兄弟でも大喜とはまた違った雰囲気がいいアクセントとなっている。
研究者の仕事のひとつはその分野の人たちと熱く議論を交わすことだ。万太郎が大学を辞めることについて話すはずだった家族会議は、経済、精神、地域社会への議論へと発展していった。槙野家の4人の子供たちは、まさしく研究者の子であった。
「私たちがこんなだとみんな、こんなに頼もしくなるんですね」と寿恵子は楽しそうに語った。万太郎を中心として仲良く、朗らかに暮らしている槙野家。どうかこれからも末長く幸せであってほしいと心から願っている。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『らんまん』【全130回(全26週)】
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣ほか
作:長田育恵
語り:宮﨑あおい
音楽:阿部海太郎
主題歌:あいみょん
制作統括:松川博敬
プロデューサー:板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出:渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
写真提供=NHK