『この素晴らしき世界』最終話で回収されたあらゆる伏線 若村麻由美の芝居の凄まじさ痛感

 いつの間にかすっかり妙子(若村麻由美)のファンになってしまっていた。『この素晴らしき世界』(フジテレビ系)の最終話では、妙子と若菜(若村麻由美:2役)を中心に一同が結託し、芸能界の悪事を暴露。馴染みのキャラクターたちが活躍する見どころたっぷりのグランドフィナーレとなった。

 テレビ局では若菜が、妙子らを陥れるための生放送の準備をしていた。だが実はここにいるのは、若菜になりすました妙子だったのだ。一時は安原(西村まさ彦)らの新事務所にしてやられるところだったが、「Mr.Summer Time」によって2つの衝撃の真実を告げられ危機を脱した。1つは、刃月(椎名桔平)と共に「Mr.Summer Time」を名乗っていたのがセシル(円井わん)だったということ。そしてもう1つは、沖野島(吉田宗洋)が起こした事件で死亡したのはセシルの姉であり、セシルはその真相を解き明かすために芸能界に潜り込んでいたということ。これらのことが明らかになり、事態は一変する。安原の味方だと思われていたセシルが妙子らに加わり、さらに若菜も仲間になってさらなる反撃に出る。

 なんと言っても、最終話にして妙子と若菜の共演シーンが登場したことは熱い。どちらを演じているのも若村麻由美だが、とても同一人物とは思えない演じ分けなのだ。妙子と若菜が大きく違う人物であることはこれまでも描かれてきた部分だが、こうして1つの画面に収まると、改めて若村が本作で積み上げてきた緻密な芝居の凄まじさを痛感する。

 さらに最終話ではあらゆる伏線が回収され、9話に渡って描かれた馴染みの人々が大活躍する姿に胸がいっぱいになる。妙子にいつもの日常が戻ったこと、蛍(永瀬莉子)がさりげなく妙子の家であきら(中川大輔)と一緒に鍋を囲んでいるところ、櫻井(葉月ひとみ)には実は強い一面があること、亜美(尾碕真花)が莉湖(木村佳乃)の家で嬉しそうな笑顔を見せていること。どのキャラクターもが愛情を込めて描かれてきたことが伝わるシーンであった。

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