『CODE』坂口健太郎がたどり着いた残酷で虚無な真実 最終回が提示した“人間らしさ”
復讐心に囚われてCODEを使ったとしてもそこには終わりなき復讐の連鎖が待ち受けているだけだということを嫌というほど突きつけられてきた二宮は、椎名が罪を重ねてしまうことも止められた。自分から大切な存在を尽く奪い去ったのが“AI”だったというある意味最も残酷で虚無な真実に辿り着いた際にも、彼は「間違えたってやり直せばいい」と人間の愚かしさや未完全さを抱えながらも生きていく道を選べた二宮。それをある意味諸悪の根源とも言える市川に対しても貫き通せたのは、AIには持ち合わせない“人間らしさ”で、人間がAIを凌駕できる唯一の可能性だった。
息子の海外での心臓移植手術にかかる莫大な費用を一人で工面しようとCODEモニターを務め上げてきた円だったが、その費用を調達するために咲と始めたクラウドファンディングもまもなく目標額を突破するという人間の中にある“相手を思いやる気持ち”の結集も描かれた。
しかし、終わらない人々の欲深さからなのか、あるいはそれを逆手にとって利用しようとする第二の市川の出現によってなのか、はたまたAIの暴走なのか。新たなるCODEが再生産されてしまうラストは、人間の両面が投影され示唆的でもあった。
■配信情報
『CODE-願いの代償-』
Hulu、TVerにて配信中
出演:坂口健太郎、染谷将太、松下奈緒、堀田真由、玉山鉄二、三浦貴大、鈴木浩介、臼田あさ美、青柳翔、黒羽麻璃央、兵頭功海、竹財輝之助
脚本:酒井雅秋、 山田能龍
演出:森淳一、木村ひさし
音楽:菅野祐悟
原作:台湾ドラマ『浮士德遊戲(英題:CODE)』(2016年)、『浮士德遊戲2(英題:CODE2)』(2019年)
チーフプロデューサー:岡本浩一(ytv)
プロデューサー:中間利彦(ytv)、阿部豪(ロボット)、真壁幸紀(ロボット)
制作協力:ロボット
制作著作:読売テレビ
©︎読売テレビ
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