『らんまん』“万太郎”神木隆之介が愛される理由が詰まった第22週 “全てが平等”の思い

 波多野(前原滉)と野宮(亀田佳明)がイチョウの精虫を発見し、植物学教室を世界の頂点に押し上げる中で、万太郎は自分にできることとして、台湾で出会った「愛玉子(オーギョーチ)」を新種の植物として発表していた。学名は「フィクス・アウケオツァン」。台湾での読み方「オーギョーツァン」からきていることに、細田(渋谷謙人)は怒りをあらわにするが、「これ以上ふさわしい名はありません」「わしは永久にとどめるがです。学名として」と万太郎の思いは変わることはない。

 万太郎が大学を離れている間に、植物学教室は大きく進歩していた。胴乱と野冊を手に植物採集に出かける者はもう誰もおらず、顕微鏡を覗き込んだ先のミニマムな世界が現在の植物学会のメインステージに、そして同時にドロドロとした人間の欲望もまた植物学会を覆い尽くそうとしていた。それでも万太郎は変わらず、どこまでも地べたを行く。それは、「植物学者として後の世まで守りたい」「全ての植物の名前を明らかにして、図鑑に永久に刻む」という一貫した思いからだ。

 『らんまん』の放送も残り1カ月。残すところあと4週となった。第22週のラストに子供たちを連れて長屋にやってきた竹雄(志尊淳)と綾(佐久間由衣)の家族、渋谷に人と人とを繋ぐ待合茶屋を開店させる話を持ちかけられている寿恵子もいる中で、中川大志といった最終章を彩る新キャストも発表されており、この先は強烈かつ豊かなストーリー、キャストが展開されていくはずだ。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『らんまん』【全130回(全26週)】 
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣ほか
作:長田育恵
語り:宮﨑あおい
音楽:阿部海太郎
主題歌:あいみょん
制作統括:松川博敬
プロデューサー:板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出:渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
写真提供=NHK

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