『らんまん』浜辺美波が仲居デビュー 岩崎弥之助が槙野家にもたらしたチャンスの種

 『らんまん』(NHK総合)第104話では、料亭で働きはじめた寿恵子(浜辺美波)が耳寄りな話を仕入れてくる。

 叔母のみえ(宮澤エマ)のつてで、新橋の料亭「巳佐登」に仲居として勤めることになった寿恵子。旧幕時代から続く料亭には、政財界の大物が出入りしていた。寿恵子は仲居頭のマサ(原扶貴子)について座敷での作法を学んでいく。岩崎弥之助(皆川猿時)を囲んだ席では、岩崎お気に入りの芸者・菊千代(華優希)が優美な舞を披露した。菊千代役の華優希は元宝塚歌劇団花組のトップ娘役で、2021年に退団し、ドラマや舞台に活動の場を移している。

 酔いが回った岩崎は、みえに次回の宴席で「菊尽くし」を所望する。陰暦の10月、「孟冬」の時期に旬の菊を愛でようと言うのだ。岩崎がいう「大隈さん」は維新の元勲である大隈重信だろうか。大隈が菊に凝っていると聞いて、ならばと着想したのだろう。しばし菊談義が続いた後、菊千代の一言をきっかけに、菊を持ち寄り、競い合う“菊くらべ”が提案された。参加資格は自由。一等の菊は、岩崎が「500円で買い上げて、大隈さんに進呈するき」。それを聞いて目をしばたたかせる寿恵子だった。

 突如始まった寿恵子の料亭修行。戸惑っている間にも物語は進行し、ちゃんと草花に着地するのはさすがだ。田邊(要潤)の死去など、このところ重い展開が続いていたので、気分を変えるにはうってつけのトピックだった。借金の相談に行った寿恵子は、みえから内職よりも割の良い仕事として仲居を紹介された。みえの夫で「巳佐登」の主人である笠崎(遠山俊也)が「ご縁をつむぐ場所」と語ったとおり、土佐出身の岩崎がチャンスの種を運んできた。

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