『らんまん』宮澤エマの「バカ」に込められた愛情 遠山俊也演じる太輔との仲の良さも
『らんまん』(NHK総合)第103話で、寿恵子(浜辺美波)は叔母・みえ(宮澤エマ)に会いに行く。第103話は、みえを演じている宮澤エマの演技が魅力的に映る回となった。
寿恵子と久しぶりに顔を合わせたみえは「あんたね、よくもおめおめと顔出せたもんだね。人が掛けてやった金ぴかのはしご、むげにして、玉のこしどころか泥船に乗り込んで。あんたみたいなアンポンタンはね、東京中……いや日の本中探したっていやしないんだからね!」とまくしたてた。みえはみえなりに寿恵子を思い、玉のこしに乗れるよう世話を焼いてきた。そんなみえの言葉を受け、寿恵子は彼女の言い分はもっともだと思ったはずだ。みえに「今さら頭下げたってねえ!」と言われ、おずおずと頭を上げる寿恵子はみえの顔を見ることができなかった。
しかしみえが本当に伝えたかったことは辛辣な言葉の後にある。「だから言ったじゃないさ……」と語りかけるみえの声色は、先ほどとは打って変わって優しい。みえは悄然とした面持ちの寿恵子に近づくと、心配そうなまなざしで寿恵子を見つめた後、「もっと早く来なさいよ!」と寿恵子を抱きしめた。
みえが寿恵子に言った辛辣な言葉もまんざら嘘ではないと思うが、それもかわいい姪である寿恵子を大切に思うからこそ。たとえば、劇中でみえは度々「バカ」と口にする。万太郎(神木隆之介)のことは「駄目男」「壮大なバカ」と呼んだ。「2人そろって、想像を絶するバカ」という台詞の思い切りの良さには思わず笑ってしまう。それでも、みえを演じる宮澤の台詞の言い回しは決して刺々しいものではない。「バカ」と口にしつつも、寿恵子を大事に思う気持ちは十分伝わってくる。